新聞と広告の向こう側

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不動産「駅歩5分」はどういう基準で計算されるの?

パンプスを履いた女性の歩行速度

不動産広告を作るとき、最寄りの駅から物件までの距離を表示します。「駅歩〇分」という数字を参考にアパートやマンションを選ぶ人も多いでしょう。

ところで、この「駅歩〇分」の数字はどういう基準で計算されるのでしょうか?

不動産は徒歩1分80mで計算

不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)では「80mを1分」として計算するように定められています。たとえば、駅から400mのところに物件があれば、400m÷80mで徒歩5分となります。

 

何を基準にこの数字は決まったのか

この80mを1分で歩く基準はどこから出てきた数字でしょうか。不動産公正取引協議連合会によれば「女性がパンプスなどヒールのついた靴を履いて、歩いて測ったものを基準」にしたといわれています。

かつてイギリスの公的機関が、各国の市民の歩く速度を調査したことがあり、日本人は18mを平均12.83秒で歩く結果が出ました。これは、1分に換算すると約84mなので、不動産の表示規約の数字は、おおむね信用できます。

もちろん高齢者や子どもでは、誤差は大きくなります。

 

駅歩の距離の測り方は?

次に浮かぶ疑問。
最寄り駅までの距離はどのように測っているのでしょうか。

ここにちょっとした「仕掛け」があります。測る地点は、現地にいちばん近い「駅構内」から駅にいちばん近い「物件の敷地」までです。駅の改札口から物件の入口までの距離というわけではありません。

したがって、地下通路の長い駅や、敷地の広い大型マンションだと、広告表示よりかなり時間がかかることもありえます。

 

計算に考慮されないもの

このほかにも次のようなものは「1分80m」に含まれません。

  • エレベーター
  • 踏み切り
  • 信号の数
  • 坂道などの地形

また女性の場合は、暗がりを避けて安全な道に迂回するケースもあります。

広告の「徒歩〇分」の数字は、あくまでも地図上の最短経路を分速80mで割ったものと考えて、参考にとどめるのがよいでしょう。実際に、自分で歩いてみるのが確実です。