新聞と広告の向こう側

新聞のつくり方・広告を読み解く視点

中学生のための職業新聞の書き方│職業調べ・職場体験のレイアウトとまとめ方

職業新聞の書き方のプレートを掲げる女子中学生

中学生になると職場体験を通じた職業新聞の課題が出されます。実際に体験した仕事、働いている人の話を新聞記事にまとめ、クラスのみんなと将来の進路を考えるきっかけとするものです。

職場体験先の人にインタビューする質問を先に決めておくと職場体験新聞は、スムーズに作ることができます。まずは、レイアウトを確認しましょう。

 

職場(職業)体験新聞のレイアウト

職業新聞のレイアウト例

これが職場体験新聞の基本的なレイアウトです。記事の小見出し(編集後記を除く)が、訪問先で聞く質問になっています。主な質問内容は5つです。

  • ○○○という仕事とは?
  • この仕事を選んだ理由は?
  • 仕事のやりがいと大変なところは?
  • どんな人がこの仕事に向いている?
  • 今の中学生に向けてひとこと

 それぞれの質問内容を詳しく見ていきましょう。

 

職場体験の質問・インタビュー5項目

○○○という仕事とは?

○○○には職業体験先の職業が入ります。たとえば「看護師の仕事とは?」「印刷の仕事とは?」と書きます。

ここに書く仕事内容は、本やインターネットで調べられる一般的な内容だけでなく「実際に働く人が自分の仕事をどう捉えているか」を書きます。

たとえば、印刷の仕事は一般的には、紙などの版面にインクで文字や写真を大量に刷り写す仕事をいいます。しかし、そこからさらに踏み込んで考えると「印刷物を通して情報を世の中に流通させる仕事」ともいえます。

単に仕事の説明だけでなく、仕事の意義*1まで書くと、読み手の理解が深まります。

 

この職業を選んだ理由

この項目は、書き方が2種類あります。

  • なぜこの職場体験をあなたは選んだのか
  • 職場体験先の人がこの仕事に就いた理由


前者は、あなたのその職業に対して持っている印象(先入観)を明らかにします。後者は、実際に働いている人の志望動機を紹介できます。

あなたの先入観や働いている人の志望動機が、実際に勤めてどう変化したのか、そこを書くことで興味深い新聞になります。また就職のとき、必要な資格があれば、それも書いておきましょう。

 

やりがいと大変なところ

この項目が職業新聞の中心になる記事です。

  • 実際にその仕事に就いている人の思い
  • 職場体験をしたあなたの感想

この両面から「やりがい」と「大変なところ」を書きます。やりがいとは、その仕事をすることで、心が報われること、うれしいと感じること。「大変なところ」は、その仕事をするうえでの苦労や問題点をあげます。

職業の良い面とそうでない面の両面を理解することで、将来の職業選択の客観的基準を持つことができます。

 

向いているのはこんな人

どのような職業にも「適性」があります。向き、不向きのことです。職業を選ぶとき、自分の性格を考慮するのは重要です。

この項目では、実際に仕事に就いている人の話、職場体験をしたあなたの感想から、その職業で大切だと思われる「気質や能力」をあげて記事にします。

なぜ、その気質や能力が必要なのか、具体的な理由を書くと、説得力が増します。

 

今の中学生にひとこと

この項目は、職場体験先の人の言葉をそのまま文章にします。将来、この職業を志す人に知っておいて欲しいこと、今のうちから準備しておくと有利なアドバイスが聞けるかもしれません。

また、その職業が、過去、現在、未来へと、どう変化していくか、展望が語られることもあるでしょう。こうした話から、世の中の動き、人々の求めるものの変化について考えるきっかけにもなります。

 

新聞の題字はどうする?

職場体験新聞のタイトルにあたる「題字」。ここは、難しく考える必要はありません。「職業名+新聞」の形式でつければ良いでしょう。

冒頭に提示したレイアウトの題字部分(白い四角の中)を職業名に変更すればOKです。印刷業の職場体験を記事にした場合は「印刷新聞」で構いません。

友だちが読んだとき、どのような職業について書かれた新聞なのか、直感的にわかることが大切です。

 

図版(写真・イラスト)はどうする?

職業や仕事内容が、一目でわかる写真を入れるのが一般的です。職場体験の新聞は、仕事の魅力を伝える目的があります。笑顔で働く人を載せると良いでしょう。写真には、キャプション(説明)を添えて。

写真を撮影できない場合は、イラストでもOK。

また、一日のスケジュール、仕事内容をグラフで表した「タイムテーブル」を掲載するのも良い方法。実際に何時頃にどんな作業をしているのかが伝わります。

 

編集後記は自分の感想を書く

編集後記の部分は、実際に職場体験をした感想や働く人に取材をして感じたことを書きます。基本的に素直に書けば良いのですが、次の2点に気を配りましょう。

  • 職業の魅力に焦点をあわせる
  • 実際に働く人の気持ちを考えて書く

要するに、「あなたに職場体験の新聞を書いてもらって良かった」と職場体験先、取材先の人たちが思うように書くということです。

 

まとめ

以上、中学生向けの職場体験新聞の書き方について説明しました。レイアウトに沿って5つの項目を取材すれば、ほぼ内容ができあがります。

大事なことは、書き上げた新聞を交換して、世の中のさまざまな職業を知り、将来の進路を考えるヒントにすることだと思います。ぜひ、職場体験の新聞を書くときの参考にしてくださいね。

 

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*1:世の中で果たす役割