新聞と広告の向こう側

新聞のつくり方・広告を読み解く視点

新聞の書き方のルールと法律

新聞作りの法律とルール

学級新聞やカベ新聞を書くときに守るべきルールがあります。これは単に読みやすい文章を書くという意味ではありません。「誰かの権利を侵さないか」法律に照らして配慮することがあります。

この記事では、覚えておきたい最低限のルール、法律について解説します。

 

 

守るべきルールと法律

新聞を書くとき、特に注意したい法律は、次の4項目。人権、肖像権、個人情報、著作権です。あなたの新聞は、これらの扱いを正しく行っているでしょうか。この機会に確認しておきましょう。

 

人権を守る

人権は、人として幸せに生きていくための権利です、誰もが生まれたときから持っています。暴力やいじめは、相手の人権をおかすことになります。

新聞作りで気をつけなければならないのが、言葉の暴力。差別的なことを書いたり、相手の心を傷つける言葉を使わないようにしましょう。これは、相手の立場にたって、自分ならどう感じるか、を考えればわかることです。

新聞では、記事に取り上げられた人や読んだ人がうれしくなったり、喜んでくれるような書き方を心がけましょう。

 

写真の掲載は許可をとる

本人の許可きょか*1なしに顔や姿を写真に撮られたり発表されたりしないための権利を肖像権しょうぞうけんといいます。

人物や商品、会社の中の設備や建物の外の様子などの写真を撮らせてもらう場合は「新聞にのせる写真を撮らせてください」と許可をもらいます。

学校行事などの写真をのせるときも、あらかじめ写っている人に新聞に掲載することの許可を得ましょう。きれいに写っていても本人にとっては見られたくない場合もあります。相手の気持ちに配慮はいりょしましょう。

 

個人情報に注意しよう

人物を特定できる情報を個人情報といいます。名前や住所、電話番号などです。

住所や電話番号をのせる場合は「記事に住所と電話番号をのせてもよいですか?」と取材先に目的を伝えて許可を取りましょう。新聞に個人情報をのせるときは、名前などの固有名詞、数字にまちがいがないように、しっかり確認してから発行します。

著作権を守ろう

考えや思いを創作的に表現した文章、写真、絵画、音楽などを著作物といいます。著作物の作者には、作品が他人に勝手に使われないように守る著作権ちょさくけんが認められています。

新聞の記事に参考にした本や資料の引用*2が必要な場合には、引用した資料と引用部分をはっきり書いておきましょう。くわしくは、下のページを確認を。

引用の方法

 

また、著作権法35条では「学校の授業で使う場合は著作物を複製(コピー)しても許される、という著作権法の条項じょうこうがあります。ただし部活やクラブで使う場合は対象外です。

 

新聞のルールQ&A 

Q1.記事に名前が出ていないときがあるのはなぜ?

新聞は、実名(本当の名前)で報道することが原則です。しかし、そのために本人が傷つく事件の被害者などの場合は、名前を書かずに報道することがあります。

また事件を起こしたのが20歳未満の未成年者のときは、名前だけでなく学校名など、本人がだれかわかることは書きません。未成年を保護する少年法という法律があるからです。

 

Q2.新聞をコピーして配ってはいけないの?

新聞の記事や写真には著作権が新聞社にあります。勝手にコピーを取って配ることは法律違反になります。しかし、学校などで教育を目的に使う場合は、特別に許されています。

 

Q3.取材するときに守らなくてはならないこと

必要な場合は、取材に応じてくれた人の名前を秘密にすることです。不正を告発する内容の場合は、誰が話したのか漏れてしまったら、その人に被害が及びます。すると、記者への信用がなくなり、取材ができなくなります。

また、取材で聞いたことは記事を書くこと以外の目的で、使用したり口外したりしないことが大切です。

 

まとめ

ポイントは4つ

  • 人権を守る
  • 写真は許可をとってのせる
  • 個人情報の掲載は許可を得る
  • 著作権と引用のルールを守る

許可が必要なものは、取材のときにお願いするとよいでしょう。ル―ルを守って、みんなに喜ばれる新聞を作ってくださいね。

 

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*1:願いを引き受けること。掲載を許してもらうこと

*2:他人の著作を自己の作品のなかで紹介すること