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仕事のヒント│ビジネスの壁を突き破る150の視点:神田昌典著【レビュー】

仕事のヒント(神田昌典著)

あれこれ試行錯誤しているものの、仕事が軌道にのらない。 とにかく一度、売れさえすれば、使ってさえもらえれば、 とため息をもらす経営者は少なくありません。

仕事は、状況が悪くなると、アレをやればこの点が問題になるとか、 これをすると、これまでのお客を失ってしまうとか、余計に手を打てなくなります。

状況が悪いときこそ、抜本的な手を打って改善しなければならないのに、目先の苦しさ、 わずかに残った顧客惜しさから、代わり映えのしないことを続けてしまうのです。

このように視野が狭まっているとき「0」から打開策を発想するのは大変。 そうした状況で、発想を導くヒントを与えてくれる「仕事のヒント (中経の文庫)」をご紹介します。

この本を読むことで、凝り固まった思考をほぐし、顧客視点での打開策、成長戦略を見出すきっかけになります。

 

30秒で読める仕事のヒントが150

この本は、モノを売るヒント、経営のヒント、生き抜くヒントの3章構成。 そのなかに全部で150の選び抜かれた価値ある言葉が収録されています。

とはいえ、ページにぎっしりと情報が詰め込まれているわけではなく、見た目はスカスカ。 しかしそれが、考える切り口や要点を起点に「自ら考えるための余白」として有効に機能しています。

 

本は薄い、だが情報は濃い

仕事のヒントページ写真

仕事のヒントページレイアウト

この本は「はじめに」にも書いてありますが、使い方次第で価値が何倍にもなる本です。 ただ言葉の表面を読むだけでは、本に秘められた価値を十分に享受できません。

1つのヒントを読んだら、一旦、本を閉じて、 自分のビジネスに活かせないか、同じような事例はほかにはないだろうか、と 思いをはせることで、現状を打開しビジネスを飛躍させる気づきが得られます。

 

実践で磨かれた珠玉の言葉

著者は、ご存知の方も多いと思いますが、2000年初頭にトップマーケッターとして脚光を浴びた神田昌典氏。 「あなたの会社が90日で儲かる!」「非常識な成功法則【新装版】」など多数の著作があります。

本書に収録されているヒントは、神田昌典氏が実際にコンサルティングの現場に寄せられ、 成果を上げた珠玉のものばかりです。

 

収録例「商品選択基準を教える」

では、モノを売るヒントの中から1つ紹介します。p38の「商品選択基準を教える」です。

【商品選択基準を教える】
商品選択基準はお客が知っているものではなく、あなたが教えるものである。

お客は、どんな商品を選んでいいかわからない。だから、価格の安いものを選ぶ。 なぜなら、価格は「最もわかりやすい商品の選択基準」だからだ。

お客が営業マンに接触する前に、「どういう商品を買えばベストなのか」という選択基準を、 ブログ・電子ブック・小冊子・ニュースレター・DVD・YouTube・カタログ・メルマガ等を使って教えるようにする。

あなたが、価格に代わる商品選択基準を教えたとき、価格競争とは無縁になる。(p38)

これを読むと小冊子を発行したりブログで情報発信をする意味が腑に落ちませんか?

そして書くべき内容も明確に示しています。それは「どういう商品を買えばベストなのか」 という選択基準です。お客は失敗したくない、損したくないという損失回避の心理を持っています。

難しいことはわからない人が、失敗を恐れると、大手メーカーの商品を名の知れた販売店を経由して 買おうとします。有名なところで安く買えば大失敗しないだろう、と考えるのです。これは、能動的にベストを選ぶのではなく、 ベターに妥協する「消極的選択」にも見えます。

お客は放っておくと消極的選択をします。
あなたが積極的にお客に「商品選択基準」の情報を伝えることの重要性はここにあります。 この気づきから「価格以外の選択基準は何か」「どう表現すれば、選択基準がわかりやすく伝えられる?」と、 さまざまなアイデアを生み出すことができます。

 

仕事のヒントのわたしの使い方

文庫本で1ページに1つのヒントが掲載されているので、どのページからでも読みはじめられます。

わたしは、通勤カバンの中に1冊入れていて、ちょっとしたスキマ時間にパラパラ適当なページを開いて、なんとなく見出しの言葉について自分なりに考えてみたり、ページ下の解説文を読んだりという使い方をしています。

当然といえば当然なのですが、ヒントとして抽象的なことしか書いてありませんので、かつて読んだことのある文章に接しても、開くたびに以前とは異なる新しい気づきや発想が得られます。

仕事は、続けていると良くも悪くもルーティン(マンネリ)化していきます。業績がそれで上がり続ければいいのですが、同じことを続けているとお客に飽きられたり、競合に追従されたりして、成果が頭打ちになってきます。

そうしたときに、既存の仕事のやり方や考え方を見直し、打開策を見いだす「虎の巻」として活用しています。

 

適切な質問とはそれだけでゴールである

ビジネスのヒントが150収録されていますが、 できれば365個、1年分収録されていると、日めくりの名言的に使えて便利かと思います。

この本はもともと2005年にソフトカバーの単行本として発刊されており、 それを2016年に中経の文庫としてKADOKAWAが復刊したものです。

ですので初版からは12年以上経過しています。 それでも150の言葉のどれもが、今なお新しい気づきを得られるきっかけとなるのは、 時代が変化しても変わらない真理を取り上げているからでしょう。

わたしの好きな言葉に「アインシュタイン」の名言があります。あなたも一度くらいはどこかで聞いたことがあるかもしれません。

 

適切な質問とは、それだけでゴールであるもし自分が死にそうな状況になって、助かる方法を考えるのに1時間あるとしたら、最初の55分は、適切な質問を探すのに費やすだろう。

 

今回、紹介した「仕事のヒント」は、こうした「問い」に満ちています。短い話題でレイアウトされた本は、通勤電車でちょっと読むにもピッタリです。わたしは、カバンに入れておいて読み返す使い方をしています。

 

カスタマーレビュー
私は個人事業主で、営業と経営を兼ねております。38ページの内容で1件とれました。軽く元がとれます。