厚生労働省によると日本人の2016年の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳。
平均寿命の話をすると「男性は80歳前後で亡くなる人が多いのだな。自分は今75歳だから、あと5年の人生か」 などとつい勘定したくなりますが、実はちょっとちがいます。
なぜ、ちがうのでしょうか?
平均寿命とは「今の日本に生まれてきた子どもが、あと何年間生きられるか」を表した数字だからです。
つまり2016年に誕生した0歳児の赤ちゃんは、男の子なら80.98歳、女の子なら87.14歳くらいまでの寿命が期待できますよ、ということ。 つまりこの数字は国民全員に適用される数字ではありません。
厚労省の簡易生命表で知る平均寿命
平均寿命は、厚労省が毎年発表している「簡易生命表」で知ることができます。これは主に「平均余命」を示す統計です。
平均余命とは「あと、何年生きられるか」という期待値のこと。その年の死亡状況が今後も変化しないという前提のもとで、 1年間の死亡者数などから性別・年齢別に細かく計算して出されています。
簡易生命表2016年版
2016年の簡易生命表を一部抜粋します。詳細な数字は、厚労省のサイトで閲覧できます。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
0 | 80.98 | 87.14 |
5 | 76.20 | 82.37 |
10 | 71.23 | 77.39 |
15 | 66.26 | 72.42 |
20 | 61.34 | 67.46 |
25 | 56.49 | 62.53 |
30 | 51.63 | 57.61 |
35 | 46.78 | 52.69 |
40 | 41.96 | 47.82 |
45 | 37.20 | 42.98 |
50 | 32.54 | 38.21 |
55 | 28.02 | 33.53 |
60 | 23.67 | 28.91 |
65 | 19.55 | 24.38 |
70 | 15.72 | 19.98 |
75 | 12.14 | 15.76 |
80 | 8.92 | 11.82 |
85 | 6.27 | 8.39 |
90 | 4.28 | 5.62 |
この表を見るとわかるように、男性の平均寿命が80.98歳ということから「今75歳の男性が、あと5年程度の人生か」というのは違って、 あと12年ほど生きられる期待値があるということです。
ただし期待値は、起こり得る値の平均値ですから、現実は、それより長い場合も短い場合もあります。 またこの簡易生命表は、毎年更新されます。そのたびに平均寿命は伸びる傾向があります。ちなみに1900年当時の日本人の平均寿命は44歳でした。
世界の平均寿命は71.4歳│2015年
2015年の世界保健機構(WHO)の発表した統計では、世界の平均寿命は71.4歳。男性が69.1歳、女性が73.8歳です。
世界一寿命の短い国はシエラレオネ。
西アフリカの大西洋側にある国で、平均寿命は50.1歳です。生まれる国が違うだけで、これほどにも平均寿命に差ができてしまうのです。
おわりに
以上、平均寿命について説明しました。英語では「時間こそが人生(Time is life)」という言葉があります。
あなたの平均余命はあとどの程度の期待値でしょうか?
人間は、日常的には「死」を忘れています。統計的な数値はあっても、それが自分のこととして理解できないのです。 ときには簡易生命表で平均余命を確認して、残された時間に目を向けることも大切かと思います。