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【中学】入試作文のコツ│独創的な発想の生み出し方

中学受験で独創的な作文を書くコツ

うちの子が書く文章はオリジナリティがありません。誰でも書きそうなことを、誰でも書きそうな書き方で書いています。

入試問題では「あなた自身の考えを書きなさい」というタイプの問題が出ます。ほかの子と差をつけるために作文をうまく書く方法はありませんか?


うまく作文を書くには、ほかの子の発想とは視点を変えて文章を書くことです。

それは「当たり前」のことを書かないことが第一歩。当たり前のこととは、常識であり、誰もが考えつくことです。

逆説的ですが、そのために、まずは「当たり前のことは何か」を知ることが重要です。なぜなら、当たり前がわかってはじめて、それをワザと外して、うまく作文が書けるからです。

オリジナリティがないことは悩むことではありません。常識感覚があれば、ユニークな発想を生むのは、かんたんです。

次項から、中学受験に向けて独創的な発想をして、作文をうまく書く方法を伝授します。


独創的な発想で作文をうまく書くには?

独創性(オリジナリティ)の高い文章とは、どのような文章を言うのでしょうか。それは、多くの他人と違った発想で書かれた文章のことです。

では、どうすれば他人と差別化できるのでしょうか。かんたんです。常識の逆を書けばいいのです。


ユニークな発想の仕方

たとえば「いい天気の日は、誰かにとってはいやな天気なんじゃないか」とひねくれて考えてみよう。

ひねくれて考えることで、ほかの子と差別化ができるよ。


例文雲ひとつない晴天が続くある日。

この例文に続けて、「今日もほんとうにいい天気だね」と書くとありきたりの文章になってしまいます。「晴天=望ましい」という発想は当たり前だからです。

しかし、ここで「晴天が続くといやなひとがいるのではないか」と常識の逆を考える習慣をつけると、「農家の人にとってはいやな天気かもね」と続けることができます。

このように、別の誰かは常識とは逆のとらえ方をするかも知れない、と視点を変えて考えてみることで、独自性の高いうまい作文になります。


中学入試の読解問題の例

次に中学入試の読解問題でよくみられるパターンをあげます。

筆者は「なにごとも、まず自分の頭で考えることが大事だ」と書いていますが、これについてあなたはどう思いますか。あなた自身の具体的な体験を挙げながら、あなたの意見を述べなさい。

この文章の筆者の意見は「なにごとも、まず自分の頭で考えることが大事だ」です。多くの子供は、この筆者に意見に素直に賛成するでしょう。

しかし独自性を発揮した文章を書き、ほかの子と差をつけるには「逆説化」、つまり「ひねくれて」理屈をこねることが大切です。手順は次のとおりです。

読解問題で独自性を出す手順
  • まず結論を逆にしてしまう
  • 次に結論を支える理由を考える

実際の考え方と解答例をあげてみます。まずは、筆者の意見(結論)を逆にします。

1.結論を逆にする私は、筆者の意見に反対だ。いつもいつも自分の頭にばかり頼っているのはよくない。

次に、結論を支える理由を考えます。

2.理由を考える昨年の夏に左足がはれたときに、きっと大丈夫だろうと自分の頭で考えて放っておいたら、実は、蜂窩織炎ほうかしきえんという自然には治らない病気だということがありました。

もっと早く、医者つまり他人の知識に頼っていれば、治るのに時間がかからずに済んだはずだ。

自分の知識はまだ少ない。他人の知識に助けられたり、他人から学んだりする経験を積むほうが、結局は自分の知識も広がるはずだと思う。


いかがでしょうか。
このように、常識的な結論を逆にしてから、あとづけの理由をこじつけると、もっともらしい独自性のある文章が書けます。

そのためにも、日頃から「何が常識なのか」を意識しておくことです。ここでいう常識とは、大人たちが「こうあるべきだ」と考えている方向性のことです。

なお、こうした逆説的な文章は、ふくしま式「本当の語彙力」が身につく問題集[小学生版]で演習できます。受験記述対策の参考書としておすすめしておきます。


入試頻出の大人たちの常識例

常識は、多くの場合、反対語・否定表現で説明できます。ここでは中学入試でよく問われる大人の常識の代表的なものを下記に取り上げます。この通りの価値観で書いてしまうと、常識にとらわれた面白味のない文章になります。


①「他人」より「自分」

他人に頼らず自分で考えよ。他人から言われるまで待つのではなく自分から能動的に動け。他人のまねをするのではなく、自分で生み出せ。模倣より独創を重視せよ。


②「みんな同じ」より「みんな違う」

みんなと同じでなければならないという発想を捨てて、みんなと違っていてもよい、違っているほうがよいという発想を持て。一様性より多様性を重視せよ。没個性より個性的な方がよい。


③「デジタル」より「アナログ」

人間どおしが切れているデジタルの世界よりも、人間どおしがつながっているアナログの世界を大事にせよ。数値化できるものではなく、数値化できないものを大切にせよ。


④「人工」より「自然」

人が手を加えているものより、加えていないもののほうが美しい。人為より自然を重視せよ。自然破壊より自然保護。


⑤「物」より「心」

物が豊かであることより、心が豊かであることが大切だ。物質的な価値より精神的価値を重視せよ。形あるものより、形なきものを大事にせよ。外側より内側に目を向けよう。

★★★

こうした常識を知ったうえで、あえて逆説的に文章を構成するのが作文をうまく書く方法です。

次項では「みんな同じ」より「みんな違う」の逆説、つまり「みんな違う」より「みんな同じ」がよいという価値観で書いてみます。


みんな違うに価値があるの逆説例

私は、みんな違うより「みんな同じことに価値がある」と考えます。

たとえば、徒競走では、みんなが同じ距離を走るからこそ、得意・不得意という個性がわかります。違いを重視するあまり、個々が好き勝手な距離を走ったら、速いのか遅いのかわからず、結局は個性が見えなくなってしまいます。

みんなが同じ条件で比較できてはじめて、一人一人の違いが明確になるのです。

まとめ

以上、中学受験に向けて作文をうまく書く方法について解説しました。

ポイントは、常識を理解したうえで、常識にとらわれない文章を書くことです。そのためには「みんなが喜ぶことでも、実は、悲しむ人がいるのではないか?」と、少数の別の誰かの視点に立って多面的に考えることが重要になります。

また、文章を読んで、自分の意見を作文する課題では、次の2ステップで考えます。

  • 常識を逆説化する
  • 逆説化した理由を考える

この手順で、オリジナリティのあるうまい作文が書けるようになります。