接客では、ターゲットに合わせた対応が大切です。相手が女性客か男性客かでも、 対応方法は変わります。女性的思考と男性的思考の違いを理解し、対策することで、顧客の心をつかむことができます。
ここでは、女性的思考を中心に男性との考え方の違いと接客のポイントを説明します。
女性の思考は「同時処理対応型」
一般的にいえば、男性の脳は、ひとつの事柄に集中し、その判断や処理を終えてから、次の事柄に取りかかる傾向があります。 これは「ステップ思考」と呼ばれます。たとえば、テレビを見ながら人の話を聞くということが男性は苦手です。
一方、女性は一度の複数の事柄を処理できます。たとえば、夕飯の支度をしながら、子供から目を離さず、テレビを見る、ことも日常的にしています。 このような女性の思考の特徴を「同時処理対応型」と呼びます。
なぜ女性は同時処理ができるのか?
これは狩猟採集時代に、家事と子育て、食料の確保という複数の役割を同時にこなしてきたことの名残だと考えられています。
女性の脳は、いつも複数の事柄を同時に考えています。女性はさまざまな情報を一度に受けつけることができるのです。しかし、この同時処理型の 思考はしばしば思考が分散しがちです。
女性的思考3つの特徴と対処法
ここでは、女性的思考の3つの特徴を踏まえ、接客にどう活かすのか、その対処方法を解説します。
情報を同時処理できる
見た目の演出だけでなく、香りやBGMなど、五感を満たす演出や表現をすることで、女性は気づき、喜びます。
同時処理で思考が分散する
買い物をするとき、最終的にどれを買うか決められるように、店側の演出や表現で助けてあげるようにしましょう。
たとえば「迷っている人はこちらの商品」など。また類似品をまとめたコーナーを設け、比較一覧できる工夫も有効です。
失敗したくない意識が強い
他人から客観的に見て好かれるかどうかが、女性にとっては気になるポイント。 最終的に決めるときのアドバイス(この組み合わせで服を着るとスリムに見えるとか)で、判断の後押しを。
女性にとって「許せない」接客とは?
女性の接客と男性の接客では、対応の仕方が異なります。ここでは、女性的思考から見たダメな接客をあげています。
手を抜かれる
女性は、買い物をするときに売り手が「手を抜く」ことが一番許せません。一方で男性客の多くは「手を抜かれる」より、ルール違反に 怒りを覚えるようです。
手を抜くとは、できるのに手間を惜しんでしないこと。それは、力を十分に発揮しないことで、ひいては「その件をどうでもよいと考えている」と 捉えられます。
人から好かれることによって、よい人間関係をつくりたい女性にとって「どうでもよい」と思われることほど許せないものはありません。
店や商品で「手を抜く」をわかりやすくいうと「手伝わない」「気づかない」「手助けしない」になります。
すぐに対応してくれない
すぐに対応するのは、「あなたは大事な人だから、私たちはすぐに対応します」ということを意味します。これは、人から好意を得たい女性にとってはうれしい対応です。 逆に、すぐに対応しないと女性は、軽く扱われていると感じます。
一方、男性は、人間関係のできた馴染みの店などでは「自分は後でいいから他のお客さんの対応を先に」と思う傾向があります。飲食店などで、そういう光景を見かけます。
しかし、女性の場合は反対で、馴染みの店ほど自分にしっかり対応して欲しいと思う傾向があります。
細かい点が行き届いていない
女性は「ほんの一部からでも全体のイメージにひろげて考える」傾向があります。 たとえば、男性店員の「爪が不潔に見える」ことから、お店や商品のすべてがだらしなく見えるという具合です。
逆に、この細かい点を全体に拡大して解釈する女性の心理を応用し、細かな点を整えて素敵なイメージを想像させることもできます。
知っておきたい「女性」と「男性」のちがい
最後に、女性的思考と男性的思考の主なちがいを表でまとめておきます。
項目 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
一番大切なこと | 人に好かれること | 競争に勝つこと |
判断するときに使うもの | 五感 | 分析能力 |
世の中の変化に対して | 自分に直接関係があることにしか関心がない | 関心が深い |
思考の仕方 | 同時処理対応型 | ステップ思考型 |
腹の立つこと | 手を抜かれること | ルール違反 |
「なじみの店」での好ましい対応 | すぐに対応して欲しい | 自分は後でもよい |
「細かい点」に対する反応 | 全体のイメージに広げて捉える | どうでもよい |
決断するときの優先事項 | 自分がどうしたいか | 状況的にどうすべきか |
ルールに対する考え方 | ルールより相手の気持ちの尊重が優先 | 守ることが大切 |
まとめ
女性的思考と男性的思考では、こうした特徴の違いが見られます。特に、女性は商品購入、消費に関して 大きな影響力があります。女性的思考を理解して、適切な販促方法を考えることで集客、売上アップにつながります。
ぜひ参考にしてくださいね。