
小学校の通知表が「あゆみ」と呼ばれていて、戸惑ったことはありませんか?
実はこの「あゆみ」、特定の地域だけの呼び方ではなく、全国のさまざまな学校で使われています。
結論からいうと、
- 「あゆみ」は30年以上前から使われている通知表の名称のひとつ
- 県ごとに決まっているのではなく、学校ごとに名前が異なる
- 通知表の名称は、学校が自由に決めることができる
この記事では、通知表「あゆみ」がいつから使われているのか、どこの地域で使われているのか、なぜ名前が違うのかを解説します。
通知表「あゆみ」はいつから使われている?
通知表「あゆみ」がいつから使われているのか、全国で統一された明確な起源は確認されていません。
しかし、体験談や調査から、少なくとも30年以上前から複数の地域で使用されていることがわかっています。
- 三重県鈴鹿市では30年以上前から「あゆみ」
- 兵庫県では30代世代が小学生の頃から使用
- 「通知表」と呼びつつ、表紙には「あゆみ」と記載されていた例もある
また地域によっては、昔は「通知表」と呼んでいたものが、現在は「あゆみ」と呼ばれるようになったケースもあります。
このことから、「あゆみ」は最近登場した名称ではなく、以前から全国各地で徐々に広がってきた呼び方と考えられます。
通知表「あゆみ」はどこの地域で使われている?

通知表「あゆみ」は、特定の県だけで使われている名称ではありません。
東北から関東、中部、関西、九州、沖縄まで、全国のさまざまな地域で使用例が確認されています。
ただし、県単位で統一されているわけではなく、同じ県内でも学校によって名称が異なる点に注意が必要です。
| 都道府県 | 地域・特徴 | 補足 |
|---|---|---|
| 岩手県 | 盛岡市 | 内陸部では「あゆみ」、沿岸部では「通知表」と呼ばれる場合もある |
| 福島県 | いわき市 | 親世代は「通知表」、子世代は「あゆみ」と呼称が変化 |
| 茨城県 | 県内 | インターネット上の情報として「あゆみ」の使用例が確認されている |
| 埼玉県 | 県内 | 複数の学校で「あゆみ」が使用されている |
| 東京都 | 江戸川区など | 都内の小学校で「あゆみ」の使用例が複数確認されている |
| 神奈川県 | 相模原市・座間市 | 複数地域で「あゆみ」が使用されている。一部では通知表との併用もある |
| 新潟県 | 県内 | 学校単位で「あゆみ」の使用が確認されている |
| 愛知県 | 県内 | 「あゆみ」と「かがやき」が併存しており、学校ごとに名称が異なる |
| 滋賀県 | 県内 | 「のびる子」が主流だが、一部で「あゆみ」も存在する可能性がある |
| 大阪府 | 枚方市など | 2020年度から市全体で通知表の名称を「あゆみ」に統一 |
| 兵庫県 | 県内 | 「あゆみ」のほか「のびる力」「のびる姿」など複数の名称が存在 |
| 愛媛県 | 県内 | 「あゆみ」と「はげみ」が混在している |
| 熊本県 | 県内 | 世代を問わず「あゆみ」が広く定着している地域 |
| 大分県 | 県内 | 県内で「あゆみ」の使用が確認されている |
| 佐賀県 | 県内 | 県内で「あゆみ」の使用が確認されている |
| 沖縄県 | 県内 | 「よい子のあゆみ」という名称で使用されている |
このように、「あゆみ」は全国で見られる名称ですが、地域差というより“学校差”が大きいのが実態です。
なぜ通知表は「あゆみ」と呼ばれるのか?
通知表が「あゆみ」と呼ばれる理由には、教育的な意味が込められていると考えられます。
- 「歩み」=子どもの成長の過程を表す言葉
- 点数や順位だけでなく、日々の成長を見守る意味
- 結果よりも学びのプロセスを大切にする考え方
つまり「あゆみ」という名前には、子どもの成長の記録という意味合いがあります。
単に成績を知らせるだけでなく、学校生活や学習の積み重ねを家庭に伝えるものとして、「あゆみ」という名称が使われていると考えられます。
なぜ通知表の名前は学校や地域で違うのか?
通知表の名前が「あゆみ」「かがやき」「のびる子」など学校によって違うのは、通知表の名称や様式を学校ごとに自由に決められるためです。
学校には、児童生徒の学習状況を記録する正式な書類として「指導要録」があります。
一方、家庭に渡される通知表は、法律で形式や名称が全国統一されている書類ではありません。学校と家庭の連絡を目的とした文書として、各学校の判断で作られています。
- 通知表を発行するかどうかは学校の判断
- 名称は校長の裁量で決められる
- 様式や内容も学校ごとに異なる
そのため、同じ県内でも、ある学校では「あゆみ」、別の学校では「かがやき」や「のびる子」といった名称になることがあります。
つまり、通知表の呼び方は県ごとに決まっているのではなく、学校ごとに決められているのです。
「あゆみ」以外の通知表の名前
通知表には、「あゆみ」以外にもさまざまな名前があります。
| 名称 | 特徴・意味 |
|---|---|
| かがやき | 子どもの成長や可能性を前向きに表現した名称 |
| のびる子 | 子どもの成長を強調したシンプルな名称 |
| はげみ | 努力や頑張りを促す意味合いがある |
| のびる力 | 能力の伸びに焦点を当てた名称 |
| のびる姿 | 成長の過程や変化を表現 |
| 学びのすがた | 学習の様子を重視した名称 |
| よい子のあゆみ | 沖縄県で使われる名称。「あゆみ」に近い意味合い |
| けやき | 樹木の成長になぞらえた名称 |
| みちしるべ | 学びの指針や方向性を示す意味合い |
「かがやき」や「のびる子」のように子どもの成長を表す名前もあれば、「けやき」のように樹木の成長になぞらえた名称もあります。
これらの名前からも、通知表が単なる成績表ではなく、子どもの成長を家庭に伝えるものとして位置づけられていることがわかります。
昨今は通知表そのもののあり方も変化している
近年は、「あゆみ」という名称だけでなく、通知表そのもののあり方も見直されています。
- 所見欄を簡略化する動き
- 通知表を廃止する学校
- 面談やデジタルツールで学習状況を共有する取り組み
教員の働き方改革が進むなかで、通知表作成にかかる負担を減らす動きもあります。
また、通知表の段階評価が子どもの意欲を下げたり、劣等感につながったりする可能性を考え、通知表を廃止する学校も出てきています。
実際に、神奈川県や静岡県の一部の学校では、通知表の代わりに個別面談などで子どもの学習状況を伝える取り組みが行われています。
さらに、岐阜県美濃市では2025年度から、小学1・2年生の通知表を廃止する取り組みも始まっています。
このように、通知表は「あゆみ」という名前だけでなく、役割や伝え方そのものも変化し続けています。
まとめ:通知表「あゆみ」は県ごとではなく学校ごとの呼び方
- 「あゆみ」は30年以上前から使われている通知表の名称のひとつ
- 特定の県だけでなく、全国のさまざまな学校で使われている
- 通知表の名前は県単位ではなく、学校ごとに決められる
- 「あゆみ」には子どもの成長の過程を伝える意味がある
- 近年は通知表そのものを簡略化・廃止する動きもある
通知表「あゆみ」は、全国一律の正式名称ではありません。
学校ごとに自由に名称を決められるため、「あゆみ」「かがやき」「のびる子」など、さまざまな呼び方があります。
子どものころに「通知表」や「通信簿」と呼んでいたものが、今は「あゆみ」と呼ばれていて驚く人もいるかもしれません。しかし「あゆみ」は最近できた名前ではなく、以前から多くの学校で使われてきた名称のひとつです。