二学期が終わったので、小学生の子どもたち二人に「通知表を見せて?」と尋ねました。すると、子どもたちが、何のことだろう、と顔を見合わせているのです。
そこで「成績表もらわなかった?」ともう一度聞くと「あっ!『あゆみ』のことか」と言って通知表を出してきました。いつから、通知表は「あゆみ」になってしまったのでしょうか。
わたしが小学生だった昭和50年代後半の愛知県西部では成績表は「通知表」でした。Facebookで、この話を投稿すると、親世代からさまざまなコメントがつきました。
通知表「あゆみ」への親世代の反応
- 30年ほど前の鈴鹿も「あゆみ」でした~
- それ、私も言われました。私の時も「あゆみ」って書いてあったけど、「通知表」って言ってましたね。
- もう随分前からだと思います。呼び方は「通知表」でも、表紙には「あゆみ」の文字がありました。
- 全国的にあゆみなの?
- そうなんだ笑 あゆみなんて書いてあったかなσ(^_^;)
- 35歳神戸っ子の私は、あゆみ、でしたよ。
- うちは「あすなろ」でした!!世代より地域でしょうか?
- 私の小学校の時は「まなびのたより」でした@静岡県浜松市
Facebookのコメントより
Facebookのコメントでわかったのは、30年前から全国の複数の地域で通知表「あゆみ」が存在していたこと。また、あゆみ以外の呼び名も存在していることです。
ネットで通知表とあゆみを調べてみた
職場の人と話してて知ったんですけど
— よんてんごP (@yontengoP) March 2, 2022
『通信簿/通知表』って今
こんだけ名前のバリエーションがあるんスか
(´・ω・`)<『あゆみ』つったら通じなかった pic.twitter.com/MX4WRo4WBU
具体的には通知表にはどのような名称があるのでしょうか。代表的なものを抜粋してみたのが下の表です。
これを見ると、通知表のほかにも数多くの呼び名があることがわかります。「あゆみ」「かがやき」等は比較的主流。わかたけ、けやき、あすなろの樹木名をつけた通知表も存在しているようです。
なぜ通知表の呼び名がちがうのか?
通知表は発行自体が学校の自由だから
Wikipediaによると、通知表は、教科の成績や生活の記録が記載されるもので、法定表簿の指導要録とは異なり、作成は校長の裁量である、とされています。下のリンクは文科省の通知表に対する見解です。
LINK学習評価に関する資料[PDF]
簡単にいうと、法的な規則がないため、学校は通知表を発行する必要はありません。あくまで通知表は、学校と家庭の非公式な文書なので、各学校で自由に名前をつけていいことになっています。
通知表がない公立小学校も存在
実際に、通知表がない公立小学校も存在しました。長野県伊那市立伊那小学校です。昭和31年の1学期から廃止されたそうです。
通知表を発行しない学校では、学年末に学級担任と保護者との面談で通知表に代えています。
おわりに
あなたが子供の頃の通知表はどのように呼んでいたでしょうか。
通知表は「あゆみ」「かがやき」の代表的なものを中心に複数の呼び名があります。30年以上前から「あゆみ」の呼び名は確認できます。
通知表の名前が異なるのは法的根拠がなく各校の校長の判断で発行されるため、各々自由につけられるのが理由です。
今後は、教員の働き方改革もあり廃止や簡素化もありえます。通知表のない学校や所見欄のない通知表を発行する学校も存在します。