新聞と広告の向こう側

新聞のつくり方・広告を読み解く視点

学習塾の合格実績を広告にのせるときの注意点

学習塾の合格実績の表示基準

毎年2月から3月にかけて中学受験、高校受験、大学受験の有名校への合格数を大見出しにした進学塾のチラシや中吊り広告が目立ちます。

有名私立中に当塾から〇名合格!
この合格実績の表示に問題はないでしょうか。

自主規制団体の全国学習塾協会では、業界の健全化を図るため「学習塾業界における事業活動の適正化に関する自主基準」を設けています。

このページでは、合格実績の表示に関する自主基準をご紹介し、正しい広告表示の方法について解説いたします。

 

合格実績を表示する場合の自主基準

  • 対象となる生徒の範囲を明示する
  • 当年度実績か過年度の累積・積算かを明示する
  • 生徒の氏名*1を公表する場合は保護者の同意を得る

 

塾生徒の範囲はどこまでか

塾生徒の範囲を決定する基準は、受験直前の6カ月間のうち、継続的に3ヵ月を超える期間、該当の学習塾に在籍し、通常の学習指導を受けた者とされます。

ただし、受験直線に集中講義等を受講し、その受講時間数が50時間を超える場合は、在籍期間にかかわらず塾生徒とすることができます。

 

誇大広告禁止の自主基準

「ナンバーワン」「最高」「最大」などの最高級の優位性または唯一性を意味する用語は、客観的事実に基づく数値または確実な根拠なしに使えません。

使用する場合は、客観的データも合わせて提示するか、データの明示を要求された時に即対応できるよう準備完了した時点で使用します。

また「完全」「100%」「絶対」等の完璧性を意味する用語は使いません。「全員合格」「〇〇点以上確実」等、生徒の将来を保証する表示も使用しないと定められています。

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以上、合格実績を表示する学習塾の広告の自主基準について説明しました。学習塾や予備校の販促物を作る際のガイドラインとして参考にしてください。

*1:生徒の写真・映像・画像等、および文章等も同様。イニシャルであっても同様とする