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なぜ台風が続くと同じ進路になるの? - コースが決まるこんな理由

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台風が、連続して発生すると、なぜか同じコースをたどる気がします。

2018年秋に発生した台風24号、それに続く25号も似た進路をたどる予想です。一度、台風が通過すると獣道けものみちのような通り道ができるのでしょうか?

この記事では台風の進路について考察して、この謎に迫ります。

 

続けて発生した台風の進路が同じになる理由

この謎を解くには、台風の発生にさかのぼる必要があります。

台風は赤道付近の海上で多く発生します。

春は赤道寄りの低緯度で発生し、夏になるとそれまでより北の位置で発生します。晩秋以降は再び南下して低緯度で発生します。

台風は自力で進むことはありません。上空の風に流されて移動するだけです。

 

台風の月別の主な進路

発生した台風は、地球の自転の影響で北半球では北へ向かう性質を持っています。

貿易風が吹いている低緯度では台風は西に流されながら、太平洋高気圧のまわりを流れる風の影響を受けて北上し、南から日本付近にやってきます。

日本付近にやってくると上空には偏西風と呼ばれる強い風が西から東に向かって吹いているため、台風は速い速度で北東へ進みます。

 

 

貿易風は赤道に向かっていつも吹く風です。北半球では北東、南半球では南東に吹きます。
偏西風は、南北両半球の中緯度地方の上空をいつも吹いている西寄りの風です。

 

 

太平洋高気圧は、台風の進路をふさぐブロックの役割をしています。

太平洋高気圧の勢力が強いうちは、台風は日本に近づきませんが、勢力が弱くなると日本列島に接近したり、上陸したりする割合が高くなります。

立て続けに発生した台風の進路が同じになりやすい理由は、短期では、台風の発生する位置と太平洋高気圧の勢力に変化が少ないためです。

 

台風の発達と消滅

台風は、海面温度が30℃前後の暖かい海面から供給された水蒸気が気体から液体に変化(凝結)して雲粒*1になるときに放出される熱をエネルギーにして発達します。

しかし、移動する際に海面や地上との摩擦で絶えずエネルギーを失っています。

このため台風が上陸した後は、エネルギーの供給がなくなり急速に勢力を弱めます。

また、緯度が30度を超えて日本付近に接近すると上空に寒気が流れ込み、次第に温帯低気圧、あるいは熱帯低気圧に変わります。

台風は、エネルギーの供給がなくなれば2~3日で消滅してしまいます。

 

まとめ

以上、台風の発生と進路の説明でした。

台風の発生位置と太平洋高気圧の勢力状況が、先の台風のときの状況と近ければ、同じような進路になる可能性が高まるのです。

 

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*1:雲を構成する水滴や氷結晶