新聞と広告の向こう側

新聞のつくり方・広告を読み解く視点

買い手の心理をくすぐる値段のつけ方

値段のつけ方で購買心理を高める

お正月には福袋が売られます。この福袋ですが、値段が高いものから売れていくことが多いのをご存知ですか。

買い手が、高い福袋ほど良いものが入っていると知っているからですが、実は心理的な働きも生じています。

 

値段の高い福袋に価値を感じる心理

人は商品に対する情報を持っていないときは、値段が高ければそれだけ良いものだろうと判断する傾向があります。

無意識で、値段の高さが品質や価値を保証するシグナルだと解釈しているのです。

 

安かろう悪かろうの心理

逆に、安いものは粗悪品のシグナルだと捉える傾向もあります。

人は、買い手と店の信頼関係が希薄な状態では、理由がよくわからない限り、安い商品に不安を感じてしまうものです。

値段のつけ方(プライシング)は、ただ安くすれば良いのではないのです。

 

値段の安さを魅力として伝えるには?

先の例では「安い理由をはっきり伝える」ことが有効です。「アウトレット品」「キズ有品」と安さの理由を明確に説明することで、買い手の不安が解消できます。

 

信頼できるメーカー・ブランド品、有名人の愛用品であること。販売店の信用力が高いことも、安さを購入の魅力に変える要素になります。

 

 

 

なぜ値段を高くすると売れるのか?

 宝石店の店主が、売れない商品に倍の値札をつけたところ、急に売れ出したという有名な逸話があります。これは「名声価格*1」と呼ばれる現象です。

とくに宝石や美術品、高級ブランド品など、一点もので、所有する行為が社会的ステータスにつながる商品では、高い値段をつけることが有効です。下のリンク先の記事を読むと、よくわかります。

 

www.keikubi.com


買い手は値段が高いものを所有することに商品価値を感じるのです。

*1:威光価格・象徴価格・プレミアムプライスとも呼ばれる