- 新聞の社説って何?
- 社説には何を書けばいいの
- 簡単に社説を書く方法を教えて
新聞作りの楽しい作業に、社説を書くことがあります。しかし書き方を知らないと、記事がうまくまとまらず、手が止まってしまうことも。
この記事では、まず社説とは何かを説明。
そして子供向けに簡単に社説が書ける「型と例文」を紹介します。
型を意識すれば誰でも筋道の通った社説が書けるようになります。
社説とは? 論説文とのちがいは
社説とは、世の中の問題やできごとについて「わが社はこう考えます」と会社を代表して意見を伝える文章です。
実際に私たちの家庭に届く新聞には、新聞社の意見を述べた社説が掲載されています。意見は新聞社によって違うため「新聞の顔」とも呼ばれます。
社説は記者経験を積んだ「論説委員」が書きます。
論説文とは賛成、反対の意見を明確にして自分の意見を述べた文章をいいます。
あなたが学校や教室を代表する意見として、学級新聞などに書いた論説文は社説ととらえて問題ありません。
社説の役割
社説の役割には次の3つがあります。
- 世の中のできごとや問題を解説する
- できごとや問題の将来の見通しを伝える
- 論説者(あなた)の意見や感想を表明する
社説は、これら3つの役割を意識して書くことが重要です。
社説の簡単な書き方【子供向け】
社説を書くときは「型」を使います。
型に沿って文章を展開することで筋の通った社説を簡単に書くことができます。
型は次の4つで構成されています。
4STEPで書ける社説の型 | |
---|---|
Step① | 問題提起をする |
Step② | 自分の意見や感想を書く |
Step③ | 根拠や理由を書く |
Step④ | 要望や今後の見通しを書く |
これら4つの要素を順に書き上げてから、社説の記事タイトルを決めましょう。記事タイトルは「①問題提起」と「②意見や感想」を要約します。
社説の題材・選挙権年齢引き下げ
できごとの題材に平成27年に改正された「選挙権年齢の引き下げ」を取り上げます。
選挙権年齢の引下げについて
平成27年6月、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立し、公布されました(平成28年6月19日施行)。
今回の公職選挙法等の改正は、年齢満18年以上満20年未満の者が選挙に参加することができること等とするとともに、当分の間の特例措置として選挙犯罪等についての少年法等の適用の特例を設けることを目的として行われました。
このできごとを題材に型に沿って社説を書きます!
先に完成した例文を見せます。
社説の例文・完成見本
①問題提起をする
改正公選法が平成28年6月に施行。選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられました。しかし、若者の投票率は未だ低迷しています。
これは私たち若者が損をしているということではないでしょうか。
②自分の意見や感想を書く
憲法で認められた選挙権を行使するため、若者はもっと政治を勉強し、意見を選挙で反映させなければなりません。
③根拠や理由を書く
日本は高齢化社会。
高齢者向けの社会保障制度の必要性は認めますが、その負担をするのは若者です。
十代の若者が投票しないと高齢者の意見ばかりが反映された政治になります。
二年早く投票権を得たものの、政治がよく分からず、投票に行くのが面倒に思うのでしょう。しかし若者の一票は、確実に政治に反映されます。
④要望や今後の見通しを書く
若者の投票率の低迷が続けば、日本はますます高齢者に手厚く、若者が生活しにくい国になってしまうのではないでしょうか。
タイトルは「選挙権年齢引き下げ 若者は政治を勉強し積極的に投票を」。問題提起と意見を組み合わせてつけました。
おわりに
社説は、できごとを題材に論説者(あなた)の意見を書く欄です。
良い社説は、意見を伝える一方で、読者にできごとを読み解く新たな視点を与えます。型を使って、あなたも社説に挑戦してみてください。
尚、新聞を作った人が感想などを自由に書く「編集後記の書き方」は下記の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
新聞の編集後記の書き方- 感想・失敗談で書き手の人柄を伝えよう