新聞のリード文はどのように書けばよいのでしょうか。この記事では、リード文の役割と書き方のコツを解説します。
新聞のリードとは?
新聞のリードとは、記事の本文より前に掲載された導入文をいいます。リードは英語で「Lead」と書き導く、案内するの意味があります。
リードの役割
- 記事本文へ読み手の関心をつなげる
- 記事本文の内容を簡潔に要約する
新聞は記事の本文を読まなくても見出しとリードを読めば内容が把握できるよう構成されています。
新聞の場合、紙面を大きく割いた記事にリードが設けられます。一方、小さな記事は、リードが省略され見出しの後にすぐに記事本文が続きます。
リードの文字数は?
リード文の文字数は、記事全体の文字数で決まります。実際の新聞を見ると、記事全体の1/4~1/3がリード文にあてられています。
たとえば、記事全体が1,000文字なら、リードの文字数は、300文字前後です。
最近は、リード文は長くなり、記事の本文は短くなる傾向がみられます。短時間で内容をつかみたいという読者の要望が反映されているのです。
新聞のリードの書き方
- 記事全体を読む
- 5W1Hにあたる部分をチェック
- 重要語句を抜き出す
- 5W1Hと重要語句をつなげ要約する
リードを書くには記事を読み、5W1Hにあたる部分をマーカーでチェックしましょう。
次に記事内容を伝えるために欠かせない重要語句を10~15個抜き出します。5W1Hと重要語句をつなげて数行の文章にまとめます。
重要語句と5W1Hで記事を要約
リードの役割は記事の要約です。
要約する場合に重要なのは次の2点です。
- 5W1Hで事実を簡潔にあらわす
- 重要語句を抜き出す
5W1Hは英単語の頭文字を取ったもので、伝えたい内容をこの要素に沿って構成すると、情報を整理できます。
リードは5W1Hで記事を要約する | |
---|---|
When | いつ |
Where | どこで |
Who | だれが |
What | なにを |
Why | なぜ |
How | どのように |
事件の速報は「いつ」「何が」起きたのかを真っ先に知らせなければいけません。
大事故や災害は「どこで」がポイントになり、事件の犯人が有名人なら「だれが」を読者はまず知りたいはずです。
また、不幸な事故は「なぜ」をクローズアップすることで再発防止につながります。
リード文と記事本文の例
ここでリード文の見本を示します。GWに「知立まつり」を見学したという設定です。
【リード文】ゴールデンウィークは、三河の伝統行事「知立まつり」を見物。美しい山車、そこで上演される山車文楽、からくり人形芝居に目を奪われた。
【本文】知立まつりは、愛知県知立市で承応2年(1653年)から行われる知立神社の祭事。開催日は5月3日、4日の2日間。一年ごとに本祭と間祭が交互に行われる。
本祭では、5つの町から高さ7m、重さ5トンの5台の山車が繰り出され、山車の上で「山車文楽」「からくり人形芝居」が上演された。
これらは国の重要無形民族文化財に指定されている。装飾された山車が揃う様子は圧巻で、見る者の心を魅了した。
ポイントは、リード文と記事本文の内容を対応させること。リードで要約した内容を、具体的に詳しく説明するのが本文です。
書き方のコツは、記事本文を先に完成させることです。そのうえで「内容を簡単に言うと?」と自問して要点を取り上げ、リード文を書くとうまくまとまります。
以上、新聞の「リード文」の書き方でした。