若い人は、新聞を読まないし取らないといわれますが、2017年現在、お年寄りも新聞を止める人が増えています。
なぜ、日常生活にとけこんだ新聞をお年寄りがやめてしまうのでしょうか。
- 新聞代が高い
- テレビで情報が得られる
こうした若者の新聞離れの理由とは異なる、高齢者ならではの深刻な理由がありました。
高齢者が新聞をやめるわけ
理由は、玄関の新聞受けまで新聞を取りにいけない、というのが多いのです。
高齢者世帯の場合、体の自由がきかず、新聞を取りにいくという日常の所作に難儀します。新聞受けに2日分、3日分と新聞がたまると不在、高齢者しかいないと思われ物騒でもあります。
新聞を止めれば、新聞受けや玄関ポストに物がたまらない。その方が安全だ、と考えて高齢者は購読を止めるのです。
高齢者を困らせる無料情報紙
しかし、新聞をやめても現代は、新聞受けやポストに配布物がたまります。
たとえば、新聞販売店が配布する無料紙もあります。これは新聞販売店が、購読者の開拓や新聞購読者以外の情報配布先の確保を目的として行っています。また、ポスティング業者もいます。冊子型の無料情報誌(フリーマガジン)を毎月ポストに投函していきます。
こうした無料紙やフリーマガジンは、発行エリア内の住宅に無差別に届けられます。結果、新聞を止めたはずの高齢者世帯の新聞受けに配布物がたまるのです。媒体社に高齢者から「うちのポストに勝手に『ゴミ』を入れないでくれ!」と、クレームの電話がこの頃よく入ります。
自分の意思で購読していた新聞ならまだしも、望まない、自分たちの生活を危険にさらす可能性のある印刷物は「ゴミ」でしかありません。
苦情だけではゴミの投函はやまない
こうした電話で、世帯名と住所を伝える高齢者と、「もう入れるな」と苦情だけを言って切ってしまう高齢者がいます。世帯名と住所を伝えると、すみやかに回収と次回から投函しない対処がなされますが、個人情報をまったく伝えない高齢者は、これからもずっとゴミに悩まされることになります。
配布業者の多くは、エリア内に無差別にくまなく投函しているだけで、どこの誰に投函したのか、苦情の主は誰なのか、判断する術を持たないからです。高齢者は何も悪くはないし大変な迷惑を被っています。
こうして物騒だからと新聞を止めた高齢者は、またあらたにポスティングという難敵に悩まされ続けるのです。