新聞を書き上げたら、提出前にすること。それは新聞記事が正しく書かれているかチェックする作業です。専門用語で校閲(こうえつ)、校正(こうせい)と呼びます。昨年、TVドラマで放送された「校閲ガール」が人気を集めて、この言葉はずいぶん身近になりましたね。
素晴らしい出来事を伝えていても、誤字や内容に誤りがあると読者の信用を失います。また、誤った情報が伝わることで、取材先や関係者に迷惑をかけてしまいます。
こうした事態を防ぐために、新聞は読者に届ける前に「内容の確かさ」を徹底して確認する必要があるのです。
校閲・校正とはどんな作業?
記事の内容を確認する校閲・校正にはどのようなちがいがあるのでしょうか。
- 校閲は原稿を読み内容の誤りを正すこと
- 校正は誤字や表記等を正すこと
校閲は記事を「読む」ことで誤りを正す作業、校正は、元になる取材原稿と「比較」することで誤りを正す作業といえます。
校閲や校正は、本来、記事の書き手以外の人が行ないます。そうすることで「客観的な視点*1」で記事を見たり、読んだりできるからです。けれども、学校の新聞は、記事を書いた本人が、内容を確認することになるよね。
そこで書き上げた新聞を自分でチェックするときのポイントを紹介します。
誤字・脱字をなくす確認のコツ
新聞を書いたあなたが、校閲や校正をするときには、ちょっとしたコツがあります。ここでは、誤りや間違えを見つけやすい方法を3つ教えます。
時間をあけてから確認をする
誤りを見つけるには、読者の視点に立つことが大切。書き上げてから、しばらく時間をあけると、書き手目線から読み手目線に切り替えられます。頭が冷静になるからです。
まる一日あけてから記事を読み返してみてください。書いているときには気づかなかった誤字や脱字、情報の不足が見つけやすくなりますよ。
声に出して記事を読んでみる
文字を目で追うだけの黙読(もくどく)だと、間違いを見逃しやすいです。文字の書き忘れがあっても頭の中で勝手に補ってしまうからです。
1文字ずつゆっくり声に出して読むと間違いに気づきます。家族や友達に記事を読み上げてもらうのも良い方法。他人に読んでもらうことで、読みづらい部分、表現を直した方が良い部分がわかります。
数字と固有名詞を重点的に確認する
新聞記事には、数字や固有名詞(こゆうめいし)がたびたび登場します。数字は、日時や期間、量、価格、電話番号など。固有名詞は、個人名や商品名、施設名、住所などがあげられます。
数字や固有名詞を誤ってのせると、読者に正しい情報を伝えられないばかりでなく、取材先や関係者にも迷惑をかけてしまいます。
よくあるのが、日付と曜日の食いちがいです。たとえば「平成29年6月3日」は土曜日ですが、平成29年6月3日(日)と誤って書くと、読者の混乱を招きます。また、人の名前も間違えやすいです。高橋と髙橋は、ちがいます。
時間がなくても、数字と固有名詞はしっかりチェックしよう。
まとめ
以上、新聞記事の誤字脱字、誤報をなくすチェック方法を説明しました。
- 時間を空けて確認する
- 音読をする
- 数字、固有名詞を重点的に
記事を書いた人が行う場合は、これら3つを意識することで、誤字や誤報を減らすことができます。
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*1:自分以外から見たらどうなのか、という物の見方