新聞記事は必ずしも新聞社の記者が取材して書くわけではありません。通信社から提供される記事や写真を使っている場合も多いのです。日本では、共同通信と時事通信社が競争を繰り広げています。
なぜ通信社が必要なのか?
地方紙の場合、県内は、くまなく取材網を張りめぐらせています。しかし、海外に記者を駐在させたり、国会や東京の官庁の動きを独自に取材させたりする余裕はありません。
そこで、各紙が分担金を払って社団法人の共同通信を支えたり、株式会社の時事通信から記事や写真を買ったりしているのです。
全国紙が共同通信を脱退した理由
全国紙の読売、朝日、毎日新聞は1952年に共同通信社を脱退。これは、三社が全国展開する上で、地元に根を張った地元紙に対抗する意図があったと言われています。多額の資金を出している三社が脱退すれば、共同通信の力が弱まり、結果として地方紙の記事内容も貧弱になると考えたのです。
しかしこのときは、地方紙が危機感を募らせ、負担金を増やすことで共同通信を支えました。現在では、読売、朝日、毎日の三社は、海外のニュースに限り共同通信社の配信を利用しています。
海外の通信社
海外にも通信社があります。AP(アメリカ)、ロイター(イギリス)、AFP(フランス)、イタル・タス(ロシア)、新華社(中国)などが有名です。たとえば、国際ニュースの最後にロイター共同などと書いてあるのを目にしたことがありませんか。
これは、イギリスのロイターが配信した記事や写真を日本の提携通信社である共同通信が受け取り、時事と契約している新聞が掲載した、という意味です。
共同通信や時事通信といえども、海外のすべてに取材網を張りめぐらせることはできません。そのため海外の通信社と提携しているのです。