書店で興味深い本を見つけました。「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんな いきもの辞典」です。生き物のざんねんな一面にスポットをあてた本です。たとえば、こんなことが書いてあります。
- クラゲは口と肛門がいっしょ
- 1日180リットルのよだれを出す牛
- 食べ物を洗わないアライグマ
- 頭が大きすぎて甲羅に入らないカメ*1
大人も子供も楽しめる本で「うんち」ネタも、たくさん取り上げられています。
ワニの残念な弱点に驚く
ハ虫類の「ワニ」といえば、凶暴なイメージがあります。大きな口でかみつき、牛や馬を水に引きずり込むシーンを、テレビなどで見たことのある人も多いのではないでしょうか。
しかし、ワニの最大の武器である口は、かみつく(閉じる)ときは、大きな力を発揮するのですが、口を開ける力は、思いのほか非力。人間の大人が口の先をグッとつかむと、もう開きません。それほど、口を開ける力は弱いのです。
実際、捕獲するときは、太い輪ゴムやテープ、結束バンドで口を締め上げて、攻撃を封じるのです。
長所に隠された いきものの短所
本では、数多くの「いきもの」が取り上げられています。全編を読むと気づきますが、多くのいきものは、特徴的な部分に隠された、思いがけない、ざんねんな一面があるとわかります。
ある面に傑出した性能を持つと、その反動が必ずあるように見えます。
また、本に登場する生き物のざんねんさを、人間にあてはめても、教訓的に面白く読めます。
攻撃の裏に隠れた弱さ
ワニの話からは「攻撃は、自らの弱点の裏返し」という教訓が導けます。実際、人間にも、この習性は頻繁に見られます。
たとえば、誰かを攻撃する、打ちのめすために「悪口」を言う。こうしたとき、相手にぶつける言葉は、自分がもっとも言われたくない言葉です。
なぜなら、自分が言われてダメージを受ける言葉は、相手にもダメージを与えるに違いないと考えるからです。自分が平気な言葉を相手にぶつけることは、ありえません。
このように、いきもののざんねんな習性を知ることで、人間の思考や行動を振り返るきっかけにもなります。「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんな いきもの辞典」は、そうした読み方をすると一層楽しめます。