天気予報で気になるのは、降水確率。
降水確率が、80%、90%と高くなると、土砂降りをイメージしますが、それは誤解です。確率の意味を取り違えているのです。
よくある誤解のひとつに、天気予報で「降水確率50パーセント」と報道されても、雨の降る確率は五分五分ではない、というものがあります。
実際は、もっと高い確率で雨が降ります。なぜこんなことが起こるのでしょうか?
この秘密については本文でご説明します。
このエントリでは、このように多くの人たちが誤解している「降水確率と降水量」についてわかりやすく説明します。
降水確率とは何か?
気象庁によると「降水確率」とは、一定期間内に降水量にして1mm以上の雨または雪が降る可能性を示したもの、としています。*1
降水確率は、6時間単位で発表されているので、この6時間のうちに合計1mm以上の雨が降る確率といえます。たとえば、降水確率50%と100回予報したら、そのうちの50回は1mm以上の雨または雪が降るという意味に過ぎません。
- 6時間の間のいつ降るのか
- 降水量がどれだけになるのか
- 雨の強さはどうなのか
- 予報地域のどこに降るのか
降水確率にはこのような情報は含まれていません。極端にいえば、降水確率が10%でも激しい雨が全域に降り続いたり、100%でも狭い地域にしとしと短時間降るだけというケースもありえます。
もっとも「降水確率100%」という予報はあまり多くはありません。台風のときなどに発表されやすいので、土砂降りというイメージがありますね。
降水確率50パーセントは五分五分か
結論からいえば、1日外出する場合は、75%の確率で雨が降るといえます。理由は、6時間ごとに50%の降水確率の予報が出ているからです。○を晴れ、●を雨として午前、午後の組み合わせを考えると次の4通りです。
午前 | 午後 | 降るか降らないか |
---|---|---|
○ | ○ | 降らない |
○ | ● | 降る |
● | ○ | 降る |
● | ● | 降る |
表を見れば3/4の確率で雨に降られることがわかります。朝、天気予報を見て、降水確率50%だからと外に洗濯物を干すのは、かなり雨に降られるリスクが高いといえましょう。
降水量とは何か?
次に「降水量」とは何でしょうか。
降水量とは、平らな地面にどれだけ雨がたまったかを深さで表したものです。
1時間で10mmの雨なら、1時間で1cmの雨がたまったということ。たとえば、1㎡の地面に1cmの雨が降ったとすると100cm×100cm×1cm=10000㎤。10Lの雨といえます。
これを1分に換算すると166cc。1分ごとにコップ1杯弱の水を頭からかぶると想像すると、雨の強さがわかるでしょう。
単位のmmに惑わされると降水量は少なく感じますが、1時間に20mm以上で「土砂降り」、30mm以上で「バケツをひっくり返したような激しい雨」となります。がけ崩れや川の氾濫などの災害の注意も必要です。
1日の総雨量が70mmを超えると水害が発生するといわれます。
九州北部豪雨では、1時間に100mmを超える降水量が観測されました。これは36秒に1回のペースで10Lのバケツの水をかぶり続けるのと同じ。どれほどの激しさか想像に難くはないでしょう。
以上、降水確率50パーセントは五分五分ではない⁉【降水確率と降水量の話】でした。
・なぜ台風が続くと同じ進路(コース)をたどるの?
・電車や新幹線の乗車率200%ってどういう意味?
*1:1mm以上ではなく降ったか降らないか(0mm以上)として見るとどうなるか。完全なデータはありませんが、降水確率が30%だと約60%の確率で雨が降り、同じく50%を超えると約90%の確率で単純に雨は降るという説があります。