取材した情報をもとに新聞記事を書くとき、どうまとめたら良いでしょうか?
新聞記事の書き方の基本は、事実を正確にわかりやすく、読みやすく書くこと。それにはちょっとしたコツがあります。
この記事では、新聞記事を書くコツと注意点を紹介します。
なお、記事の取材方法は、こちらで詳しく解説しています。参考にしてくださいね。
関連新聞記事の取材方法 - インタビュー用のアンケートの作り方
- 新聞記事の書き方のコツ3つ
- 新聞記事の書き出し方
- リード(まえがき)を活用しよう
- 見出しのつけ方
- 記事にグラフや写真を入れよう
- 記事を書くときの注意点
- 意見は社説か署名記事で書く
- 校正で正確な記事に仕上げよう
- まとめ
新聞記事の書き方のコツ3つ
限られた文字数で、読者にニュースや情報を伝えるには、読みやすく、わかりやすい文章にまとめることが大切です。
新聞記事の基本は3つ
- 正確な事実を述べること
- 読みやすく簡潔にまとめること
- わかりやすい言葉で書くこと
常にこの3つを心がけて記事を書きましょう。
具体的には
- 常用漢字を使う
- 6~7行程度で適度に改行する
- 1文はできるだけ短くする
これらを意識すると読みやすく、わかりやすい記事になりますよ。
常用漢字については
こちらの記事も参考にしてください。
新聞記事の書き出し方
新聞の書き出し方のコツは3つあります。
- 結論から書くこと
- 5W1Hで大筋を伝えること
- 出来事の展望を述べること
この書き方をすると簡潔に出来事の事実関係と将来の見通しが伝えられます。
記事は「結論」から書く
読者が、一番知りたいのは物事の結末。
結論を先に書くことで、記事を全部読まなくても、読者は出来事のあらましを知ることができます。
時間がなくても最低限の事実がわかる。これが新聞記事の理想です。
通常の作文は、起承転結の順に書きますが、新聞は、まず結論から書く。それから結論に至る背景説明を詳しく説明していきます。
読者は、冒頭で結論を知ることで、記事をより詳しく読むか否か、判断できるのです。
記事の文章は5W1Hで書こう
記事の基本は、具体的なであることです。具体的な文章とは、5W1Hが過不足なく含まれたものをいいます。
- いつ・・・・日時(When)
- どこで・・・場所(Where)
- だれが・・・人物(Who)
- 何を・・・・内容・目的(What)
- なぜ・・・・原因・理由(Why)
- どのように・方法・手段(How)
このように5つのWと1つのHを入れて具体的な記事にまとめましょう。Howは、How many(much)の意味もあり、量や価格を伝えます。
5W1Hは下の記事でも説明しています。
さらに、5W1Hを使って記事を書いたら、「出来事」が社会に及ぼす影響について書き添えてみましょう。
たとえば、消費税が上がる
- 5W1Hで消費税増税の記事を書く
- 税の逆進性で格差拡大が懸念させる
1.で事実を伝え、2.で展望を示す
この書き方をすると、事実中心の報道記事でも記者(書き手)の意見が伝えられます。
※逆進性(ぎゃくしんせい)とは、消費税率が上がると低所得者ほど収入に対する食料品などの生活必需品購入費の割合が高くなり、高所得者よりも税負担率が大きくなるということ。
リード(まえがき)を活用しよう
記事の見出しと本文をつなぐ役割を果たすのがリード(まえがき)です。リードで取り上げるのは次の3つのいずれかです。
- 本文の記事をかいつまんだ内容
- 記事の読みどころ
- その記事を載せる理由
新聞では、本文が長くなるトップ記事や特集記事にリードをつけるのが良いでしょう。
読者がその先を読みたくなるようにまとめるのがポイントです。
クラス対抗リレー。
スランプに陥りながらも秘密のバトンの練習をつんできた3組の成果やいかに――」こんな感じでまとめます。
見出しのつけ方
見出しは、記事の内容をひと目で読者に伝える役目があります。記事のもっとも重要なことを表す、長くても12文字程度の短くてわかりやすい言葉を考えましょう。
見出しのポイントは3つ
- 漢字・ひらがなばかりにしない
- 5W1Hのうち2つは使うこと
- 同じ言葉を何度も使わない
これらを意識するとかっこいい見出しが書けます。
記事にグラフや写真を入れよう
新聞を見て目に入るのは、グラフや写真。
これらを新聞では「図版」といいます。文字ばかりの記事よりも、図版を使った記事の方が読者を引きつけます。
効果的な図版の使い方のヒントを示します。
グラフ・表の使い方
文章だけで説明しにくい事柄は、グラフや表、図にして表すと伝わりやすくなります。グラフや表を使う場合に大切なのは数値を正確に表すこと。
新聞で用いるグラフは
- 割合を示す「円グラフ」
- 数量を比較する「棒グラフ」
- 変化を見る「折れ線グラフ」
これら3つがよく使われます。
グラフは、項目ごとに色を変えると、イメージが伝わりやすくなります。
写真・イラストの使い方
取材で撮影した写真は、現場の様子を伝えるのに適しています。写っている人や物についての説明は、本文より小さい文字で写真の下に入れるキャプションを用います。
イラストは、内容をわかりやすくしたり、記事の雰囲気を演出したりするのに役立ちます。記事に関連したもの、季節感のあるものを使いましょう。
記事を書くときの注意点
客観的な視点で書く
ニュース記事は感想文ではありません。「自分がこう思った」ことより「その事実でどんな影響があったのか」が重要です。
うれしい、悲しいという自分の感情を記事で書くのは避けた方が良いでしょう。
なぜ(Why)どのように(How)に力点をおいて書こう
学校や地域のできごとについて「だれが何をした」というのは、すでに多くの読者が知っていることが多いものです。読者がさらに知りたいのは、「なぜ(Why)」「どのように(How)」です。
原因や理由、方法、背景などを詳しく書くことで記事が充実します。
意見は社説か署名記事で書く
読者に訴えたり、考えさせたりする記事は、意見記事として書きます。意見を書くには、事実を調査、分析し、いろいろな人の声を聞くことが大切です。
意見を書くポイントは
- 今、何が起きているか
- 過去にどのような原因があったのか
- これからどんな影響を及ぼすか
これら3つをふまえてまとめることです。
意見記事は、最後に「署名」――記者の名前をつけることが大切です。署名を書かない場合は、社説で意見を書きましょう。
校正で正確な記事に仕上げよう
書き上げた記事を読み直し、正しい記述になっているか確認しましょう。この作業を校正といいます。校正作業のポイントを挙げます。
- 記事の取り上げ方が狙い通りか
- 主語と述語のつながり文法は正確か
- 語尾は統一されているか
- 内容に不明な点、誤りはないか
- 漢字や文字の書きまちがいはないか
- ことわざなど使い方は正しいか
- 人の名前や日時、数字は正しいか
まとめ
以上、新聞記事を書くコツをまとめてみました。5W1Hを意識すること、特に、できごとの原因や理由、方法、背景を詳しく書くことで記事の品質が上がります。
ポイントは冒頭にも書きましたが、事実を正確に、わかりやすく、読みやすく伝えることです。
記事を家族や友達に読んでもらうことで、修正すべき点も明確になります。