「ラーメン 一丁」
ラーメン店でよく聞く「丁」という数え方。これってちょっと不思議ですよね。
お客さんが注文するときは「ラーメン1つ」
注文を取った人は調理場に「ラーメン1丁!」と威勢よく伝えます。
そして、できあがったら「ラーメン1丁!おまちっ」と言って、お客さんのテーブルに置きます。
このようにお店の人はどんぶりに入ったラーメンを「杯」ではなく、 「丁」で数えるのはなぜでしょうか。
「丁」は景気づけの言葉
では、なぜラーメンを丁で数えるのでしょうか。
ふつうどんぶりに盛られたラーメンは「杯」で数え、ゆでる前の1食分をまとめた麺は「玉」、 麺は「本」で数えます。どこにも「丁」で数えるものはありません。
これは一般的な数え方とはちがう種類の言葉で「景気づけの言葉」といえます。
丁という感じには、たくさんの人がいる盛んな様子や勢いのある様子を表す意味があります。 つまり、ラーメン店では、お店を活気づけるために、注文を数えるとき杯ではなく「丁」を使っているのです。
ラーメン以外で使われる「丁」
丁はこのほかにもさまざまな場面で同じような使われ方をしています。
- 1丁やってみるか!
- まずは1丁腹ごしらえから
こんなふうにあなたも丁を使ったのことがあるのではないでしょうか。「1丁やってみるか!」というときの「丁」は、 思いきっての意味で「自分の気持ちを奮い立たせて挑戦してみよう」という場合に使います。
数え方を変えるだけで、その場所が活気づいたり、気分が前向きになったりするのが面白いですね。
ちなみに豆腐を数えるときも「丁」を使います。
豆腐は1丁で2つ分をあらわします。丁半博打の偶数をあらわす「丁」が由来です。なので1つだけ豆腐が欲しい場合は「半丁」といいます。
ラーメンの丁と豆腐の数え方の丁では意味がまったくちがうのです。