年末詣でをご存知でしょうか。
年末詣でとは、産土神社や鎮守神社をはじめとする縁のある神社に今年一年間を無事に過せた感謝の思いをお伝えする参拝です。
最近は、年末詣でに出かけ、正月は、ゆっくり家で過ごす人も増えています。この記事では、年末詣での魅力についてご紹介します。
年末詣での3つの魅力
- 参詣者が少なくお参りしやすい
- 神社内が清められている
- お正月は自宅でのんびり過ごせる
参詣者が少なくお参りしやすい
神社は初詣に出かけるもの、という先入観が多くの人にあるので年末の神社は静かです。
今年1年の感謝と来年の心構えを神様の前で誓うには、人の少ない年末が向いています。
本来、お賽銭は賽銭箱に投げ入れるものではありません。神様への供物ですから心をこめて捧げましょう。
神社内が清められている
新年を迎える準備で、年末の大祓の時期はいつも以上に神社内は清浄です。
しかし初詣に時期は、人混みで神社の清々しさが感じにくくなります。年末詣でなら参詣者も少なく清浄な空気の中でお参りできます。
お正月は自宅でのんびり過ごせる
新年3が日は参拝者で混雑し駐車場も満車。人混みでお参りもゆっくりできません。
年末詣でを済ませておけば、年始は自宅でのんびり過ごせます。
年末詣でに出かける時期と神社
時期は冬至から30日まで
特に、一年でいちばん夜が長くなる冬至は、古来中国で新年とされた日で、日本の宮中行事では新嘗祭が執り行われます。
この冬至の日を基準に年末30日までに参拝するのが良いでしょう。大晦日は、元日の準備で神社も忙しいので控えた方が無難です。
冬至の日程 | |
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2019年 | 12月22日(日) |
2020年 | 12月21日(月) |
年末詣での時間は六曜を参考に
神社に年末詣でに出かける時間は何時がいいのでしょうか。決まりはありませんが、早朝が空気も澄んでいて清々しい時間帯です。
日柄や参詣時間を気にする場合は、次の六曜を参考にしてください。
六曜(日柄)と参拝時間 | |
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先勝 | 午前中の参詣が吉 |
友引 | 朝は吉・夕の参詣は大吉 |
先負 | 午後の参詣が吉 |
仏滅 | 参詣を避ける |
大安 | 終日参詣に適した日 |
赤口 | 午前11時~午後1時に参詣 |
七五三参りでは六曜を重視しますが、年末詣ではあまり気にする必要はありません。
年末詣でに参詣する神社
年末詣でに参詣する神社はどこが良いのでしょうか。一般的には、地元の神社、縁のある神社が良いとされます。
この記事で使っている写真は、尾張一宮の真清田神社で撮影したものです。
喪中・忌中の年末詣は控える
喪中は、家族などの身近なひとや、親しいひとの死を悼み、不幸を乗り越える期間です。一般には1年とされます。
また、忌中という期間もあります。これは仏教では49日、神道では最大50日です。神社の忌中の期間を表にしておきます。
神道の忌中の期間 | |
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同居人(血縁関係なく) | 50日 |
父母・配偶者・子供(7歳以上) | 10日 |
祖父母・兄弟姉妹 | 5日 |
配偶者の父母子供(7歳以上) | 5日 |
甥・姪・おじ・おば | 2日 |
忌中は神社に参詣しません。
神道の考えで死は穢れにあたり、神様のいる神社に穢れを持ち込むことはよくないとされるからです。
忌中の期間は、祝い事には参加しないで静かに暮らします。
年末詣での作法
鳥居では身だしなみを整えて一礼
鳥居は外界と聖域との境界です。
行き帰りに鳥居をくぐる際には、身だしなみを整え一礼をしてからくぐりましょう。
参道を歩く際は、できるだけ端によって歩きます。
御手洗
神社に入ったら御手洗(水舎)で手を洗います。
- 右手にひしゃくを持って水をすくい、まず左手に水を掛ける
- 左手に持ち替え、右手に水を掛ける
- また右手に持ち替え、左手をおわんじょうにして水を受ける
- その水で口をすすぐ
- 残った水を流して、ひしゃくを元の位置に戻す
拝礼は二礼二拍手一礼
- 拝殿前に進み出て最初軽くおじぎをする
- お賽銭を入れ、鈴を鳴らす
- 2回深く礼をする
- 2回拍手をする
- 胸の前で手を合わせ祈ります(拝礼)
- 1回深く礼をする
- 最後に軽くおじぎをして退く
拝礼は、神様に「お願いではなく感謝を伝える」こと。年末詣では原則お礼参りですから「一年無事に過ごすことができました」と感謝の報告をします。
拝礼の際には、住所と名乗りをあげることで神様にあなたの存在が伝わります。
まとめ
以上、年末詣でについてご紹介しました。
一年の感謝を伝える参拝には、年末詣でが最適です。年末詣をしておけば、混雑する新年松の内の初詣は無理に行う必要はありません。
初詣は、明治時代中期からの習慣で比較的新しいものです。鉄道が普及していく時代に恵方の神社を参詣するというPRで定着していったものです。
旧暦では立春(2月4日頃)が新年でしたので、年末詣でをした場合の初詣は立春に行ってもいいでしょう。