小学校の低学年のうちはシャープペンシルが禁止されている学校が少なくありません。
なぜ禁止されているのでしょうか。
鉛筆とシャープペンシルの違いを比較し、シャープペンシルが禁止される主な理由について調べてみました。
昭和40年代半ば生まれのわたしは、小学生のとき頻繁に低価格のシャープペンシルのCMが流れていて、一挙にシャープペンシルが広まった記憶があります。
このあたりの歴史も調べてみました。
鉛筆とシャープペンシルの比較
鉛筆とシャープペンシルの違いは、黒煙部分の芯と本体が一体化しているか分離しているかにあります。
鉛筆は固定されているので芯が書くことによって次第に丸くなるので鉛筆削り器で削って芯を出して、先を尖らせなければなりません。
一方、シャープペンシルは書き続けても芯の太さは変わらないので鉛筆削りを使う必要がありません。
小学校でシャープペンシルが禁止の理由
- 価格が高い
- 芯が折れて飛ぶと危険
- 鉛筆の方が書写の練習に向くとの見解のため
シャープペンシルは便利ですが、学校では最近までなかなか使用されませんでした。理由は「価格が高い」「芯が折れて飛ぶと危険」などがあげられます。
書写の研究者によっては、エンピツは芯が丸まり、その回転で字を書くことによって正しい書写の方法を身につけることができるという見解もあります。
そのため、小学校の低学年ではシャープペンシルの使用を禁止するところが多いです。先の理由のほかにも禁止の理由には次のようなものがあります。
主な禁止理由とTwitterの声
小学校でシャープペンシルが禁止される理由 | |
---|---|
芯を出す音をさせて遊んでしまうため | 筆圧が弱くなる |
分解して遊んでしまう | 芯をコンセントに差し込み感電遊びをするため |
落ちた芯で床を汚してしまう | 買ってもらえない子がいるため |
盗難の恐れがあるため | 正しい鉛筆の持ち方が身につかない |
マジレスすると、解体だけでなく書記の行為に必要な筋力がまだ未発達な時期なので柔らかい鉛筆から始めて最終学年でHBに持っていく、という目標があります。シャーペンだとその辺が不向きです。最近穴埋めプリントとタブレットの普及でこの辺の力が壊滅気味で中学が大変です・・・
— おおえくろしお🍆れにちゃんソロでのフェス参加おめでとう💜 (@ooekuroshio) 2019年5月24日
シャープペンシルの歴史
シャープペンシルの歴史は古く、1837年にアメリカのキーランがエバーシャープという名で製作・販売したのが初めてです。
これにちなんで現在でも「シャープ」という名が残っているのです。
その後、ドイツのクルップ社が大量生産をはじめ、日本にも1877(明治10)年頃から輸入されました。そして東京浅草・向島のカザリ職人の手で模造製作されました。
さらに1915(大正4)年、早川金属工業(現在のシャープ)が「早川式繰出鉛筆」として売り出しました。
1920年代にはシャープペンシルの大量生産がはじまり海外へ輸出するまでになりました。
1960年(昭和35)年に大日本文具(現在のぺんてる)がハイポリマー芯を製作。1962年に漢字などを書くのに適した0.5mm芯を完成させ、学校でも使用可能な実用的なシャープペンシルとなりました。
1980年(昭和55)にはゼブラが1本100円の製品を販売するなど低価格化がすすみ、シャープペンシルが一挙に普及しました。
シャープペンシル年表
年代 | できごと |
---|---|
1837年 | 米国のキーランがエバーシャープを制作 |
1877年 | 日本に輸入される。浅草・向島のカザリ職人が模造製作 |
1915年 | 早川金属工業(シャープ)が早川式繰出鉛筆を販売 |
1920年 | シャープペンシルの大量生産。海外輸出も |
1960年 | 大日本文具(ぺんてる)がハイポリマー芯を完成 |
1980年 | ゼブラが1本100円のシャープペンシルを販売 |
まとめ
以上、シャープペンシルが小学校で禁止されている理由とシャープペンシルの歴史について調べてみました。
名古屋では、シャープペンシルを略して「シャーペン」と呼びます。これが方言だと知るのは大人になってからでした。
尚、わたしのお気に入りのシャープペンシルはぺんてるのグラフ1000という製図用のものです。20年近く使っています。
軽さと持った感じのバランスが絶妙で、広告業界ではファンが多いのです。