作文を書こうと思って机に座っても原稿用紙のマス目が埋まらない。
よくある悩みが
- 何を書いたらいいのかわからない
- 書き出したもののうまくまとまらない
この2つがあります。
これよくある悩みなのですが、なぜこうなるかというと、1日の出来事をすべて思い出して書こうとしているからです。
結果、どのように書き始めたらいいのか、どう終わったらいいのか困るのです。
解決法は、印象に残った短時間の話題に絞って作文を書くということです。
作文の題材は限定して見つける
作文は「自由に書けばいい」と言われれば言われるほど、自由に書けなくなり、原稿用紙を埋められなくなります。
自由に書いていいと言われると範囲が広くなりすぎて、文章のまとまりがつかなくなってしまうのです。
たとえば、次のような取り留めのない文章を書いてしまいます。
1日の出来事を書いた失敗例
今日は冬休みの初日です。
朝起きて、朝ごはんを食べました。そして犬のトムの散歩に行きました。
帰ってきてから宿題をやりました。算数の計算です。
お昼はごはんを食べにお母さんと弟と一緒にサイゼリヤに行きました。
帰ったあと、2時頃、公園で友だちとドッジボールをしました。ボールから逃げ回り最後の1人に残ったけれど、負けてしまいました。
夕方は家族でトランプをしました。そのあと、夜ごはんを食べて寝ました。
いろんな体験をしたのはわかるけれど、何がいちばん伝えたいのかわからないわ。
題材は短時間の出来事に絞る
自由に書いた失敗例の何が問題か、というと1日の出来事が列挙してあるだけで、話題の焦点(題材)が絞れていない点です。
そこで次のように焦点を絞りましょう。
- 短時間に起こった出来事について書く
- もっとも印象に残ったことを書く
こうすることで、作文の題材が見つかり、いきいきとした文章が書けます。事項は、サイゼリヤの場面だけに絞って書いた改善例です。
短時間の出来事に焦点を合わせた改善例
冬休みの初日。
お昼を食べに、イタリア料理のサイゼリヤにお母さんと弟と出かけました。
ここのドリンクバーは、いろいろなドリンクを混ぜて、自分だけのオリジナルのジュースが作れるのが楽しいのです。「まるで科学実験みたいだね!」と、僕と弟で博士と助手になって、ジュース作りに熱中しました。
自信作は、すっきり白ぶどうに炭酸とレモン汁を2滴入れたジュースです。シュワッと爽やかでお母さんも「シャンパンみたい」と褒めてくれました。
弟が「8種類のジュースから3種類を選んで混ぜると、全部で何種類のジュースができるのかなあ」と、つぶやきました。お母さんは、何か言いかけたけれど、黙っていました。
結局、二人で8杯もジュースを飲みました。
僕と弟はタプタプ音がするお腹を小突き合いながら「しばらくジュースはいらないね」と言いました。お母さんは「あら、まだ48種類*1もあるのに残念ね」と笑いました。
まとめ
いかがでしょうか。
このように時間を限定したり、印象に残ったことだけに限定したりして題材を絞ると、独創的な作文が書けます。
限定するというのは制約を与えることであり、一見すると不自由になると思いがちですが、実はその逆の効果を発揮するのです。
自由に書けと言われると選択肢が多すぎて身動きが取れなくなります。時間を限定して選択肢を減らす工夫。これが作文の題材を見つけるコツです。
*1:8C3│8!/3!5!=56 8杯飲んだので残りは48通り