原稿用紙の書き方を知っていますか。
宿題の読書感想文や作文は、原稿用紙の書き方のポイントにしたがって書かなければなりません。この記事では、例をあげて正しい書き方を解説します。
原稿用紙の文字数については下記のリンクをご参照ください。
原稿用紙の書き方7つのポイント
まず、原稿用紙を書くときに押さえておきたい7つのポイントをご紹介します。
クリックすると各項目のポイントを読むことができます。
原稿用紙の書き方のポイント | |
---|---|
① | 書き出しは1マスあける |
② | 縦書きの作文での数字の書き方 |
③ | 1マスに1文字の原則 |
④ | 文末の調を合わせる |
⑤ | 句読点や閉じカッコを行頭につけない |
⑥ | 会話文の書き方 |
⑦ | 習った漢字は使う |
会話文、強調、引用は「かぎかっこ」を使って表現します。上のリンクで詳しく解説していますよ。
次項では参考に、これらのポイントを守らずに書いた悪い(間違い)例をあげます。
原稿用紙でよくある間違い
下の原稿では、7つの間違いがあります。
この7つの間違いを直して原稿用紙を埋めることが、正しい原稿用紙の書き方。
次項目から、例文の7つの誤りをポイントごとに見ていきます。
先に正しく書き直した文章を見たい方は
を確認してください。
①書き出しは1マスあける
書き出しと段落の初めは必ず1マスあけます。段落を変えても1マスあけない人が多いので、特に気をつけましょう。
②縦書きの作文での数字の書き方
縦書きは漢数字を使う
縦書きのときは、数字は漢数字で書きます。39人とはしないで、「三十九人」とします。「四方八方」「八方美人」などの熟語は漢数字を用います。
横書きのときは、算用数字でOKです。横書きの場合、数字とアルファベットは、1マスに2文字入れるのが決まりです。
パーセントと漢数字の書き方
たとえば、40.3%を縦書きの原稿用紙に書く場合は上記のように書きます。
百分比では、百や十などの単位を省略し、小数点は「・」中点で 表します。
パーセントは、原則「カタカナ」で書きますが、繰り返し記述する場合は「%」で示しても構いません。
通常の数字を作文で書く場合
漢数字ではなく、通常の数字を縦書きの作文で使う場合は、上のように1マスに2文字の数字を横向きに書きます。
作文の数字は漢数字で書くのが原則ですが、桁の多い数字を書くときはこのような書き方もOKです。
③1マスに原則1文字書く
1マスに原則として1文字を書きます。句読点(。と、)やカッコも1マス使います。
2マス使うものには、……や――があります。
④文末の調を合わせる
「です・ます」調と「だ・である」調を混ぜてはいけません。どちらか一方に統一して書きましょう。
⑤句読点や閉じカッコを行頭につけない
句読点や閉じカッコは、行の最初につけません。これらが行の最初にきそうなときは、前の行の最後の文字と同じマスに書きます。1マス1字の原則の例外です。
このとき、マス目の下に句読点や閉じカッコをつけても構いません。
行の先頭・1マス目の禁止文字
また、原稿用紙の1マス目に書いてはいけないものもあります。
原稿用紙の1マス目に書いてはいけないもの | |
---|---|
閉じカッコ | 」』 |
中点(ちゅうてん) | ・ |
長音 | │ |
拗音 | ゃ ゅ ょ |
促音 | っ |
句読点 | 」、 。 |
踊り字 | 々 ゝ ? |
これらは、前の行の最後のマスに書きます。
前の行に余裕がない場合は、最後の1マスに例外的に2文字入れたり、欄外にぶら下げて1文字追記して対処します。
踊り字は前の文字を繰り返す意味の記号です。
⑥会話文は行を変える。閉じるときは。」を1マスで書く
会話は、行を変えて、いちばん上から書き始めます。会話文の終わりは。と」を1マスに入れて閉じます。
会話文を閉じるときも1マス1字の原則の例外になります。
こうした会話文を書くには、「かぎかっこ」の使い方がポイントになります。下の記事でわかりやすく解説しています。
⑦習った漢字は使う
これまでに習った漢字や熟語は漢字で書きましょう。もし、漢字を忘れてしまったら、ほかの言葉に言い換えて書きます。
ひらがなの多用や、誤字に注意しましょう。
正しい原稿用紙の書き方の例
前項にあげた①~⑦のポイントに留意して正しく書き直した例文をあげておきます。
作文の題名と名前の書き方
題名は、原稿用紙の1行目に2~3マスあけて書きはじめます。
学年と名前は、2行目に書きます。
名前は、下が1マスあくように書き、苗字と名前の間も1マスあけます。学年と組は、例のように苗字の上に1マスあけて書きます。
本文は3行目から1マスあけて、書きます。
ただし、これは一般的な書き方。
学校指定の書き方がある場合は、その書き方に従って書きます。
学校によっては、読書感想文の書名(題名)と書き手の氏名を原稿用紙1枚目の欄外に書くよう指定される場合もあります。
書き始める前に、書き方を指示するプリント等は、必ず目を通してください。
原稿用紙│よくある質問と答え
この項目では、原稿用紙の書き方7つのポイントで紹介しきれなかった「よくある質問と答え」を特集しています。
Q.原稿用紙が400字詰めの理由は?
A.今から350年前の万福寺の住職だった鉄眼禅師が作った木版がルーツ。
中国の明朝から隠元和尚が持ち帰った「大蔵経」の刊行を決意し25年かけて6万枚の印刷用木版を刷り上げました。
このときの木版のレイアウトが20字×20行で、これが現在の原稿用紙の400字詰めに引き継がれているのです。
Q.疑問符・感嘆符の使い方は?
A.疑問符「?」と感嘆符「!」の次は、1マス空けるのがポイントです。
ただし、会話文の中に登場する疑問符、感嘆符で次に閉じかっこが続く場合は、1マス空ける必要はありません。
Q.題名が2行にわたる場合の書き方は?
A.長い題名で1行に入らない場合は、2行目に1行目の書き出しより1字分下げて書きます。
Q.行の文末に書いてはいけないものは?
A.「『(などの開きかぎカッコは、行の文末には書きません。
文末のマスを空けて次の行の最初のマスから書きはじめるようにしましょう。
Q.原稿用紙をダウンロードしたい
A.原稿用紙は100円ショップで購入できますが、Webからもダウンロードできます。
Word版は、PCで入力するものと手書き用、PDF版は手書き用のみ公開されています。
原稿用紙の書き方のポイントまとめ
原稿用紙の書き方のポイント | |
---|---|
① | 書き出しは1マスあける |
② | たて書きは漢数字を使う |
③ | 1マスに1文字の原則 |
④ | 文末の調を合わせる |
⑤ | 句読点や閉じカッコを行頭につけない |
⑥ | 会話文の書き方 |
⑦ | 習った漢字は使う |
以上、原稿用紙の書き方の7つのポイントでした。
次項では、指定文字数と実際に書く文章量の関係について解説しています。
原稿用紙の制限字数について
字数制限例 | 最小記述量 | 最大記述量 |
---|---|---|
1000字以内 | 800字 | 1000字 |
800~1000字 | 800字 | 1000字 |
1000字程度 | 900字 | 1100字 |
制限字数は絶対に守らなければいけません。「1000字以内」とあったら、必ず1000字以内で書きます。1字でも超してはいけません。
逆に、1000字以内なら100字でも200字でもいいというものでもありません。
できれば90%、つまり900字以上は書きましょう。少なくとも80%以上、書かないと未完成とされます。
制限字数が「800字~1000字」という場合は、800字を1字でも超せばOK。「1000字程度」という制限は、前後10%程度(900~1100字)で書くといいでしょう。
また「読書感想文のマス目がなかなかうまらない」人は、下の原稿用紙を使うとスラスラ感想文が書けますよ。
読書の苦手な子には、感想文の書き方の本を1冊与えるより、原稿用紙と付属のマンガで書き方がわかる上の原稿用紙の方が気軽に取り組めると思います。