タレント・アイドルのCDに握手券を付けて販売している場合、これは景品表示法上の景品といえるのでしょうか?
かつて握手をしたいがために、同じCDを複数枚購入し、握手券だけを抜いてCDが大量に廃棄された事例もあります。
このようにCDに握手券を付けるのは問題ないのでしょうか。
握手券は景品表示法で合法
握手券という「券」の型式を取らないまでも、人気タレントがCD購入者限定で、CDやポスターにサインをしたり、人気作家が自分の著作の購入者にサインをしたりするケースはよく見られます。
タレントの人気が高い場合は、CDに付けられる握手券は希少性の高いものとなり、インタネットオークションなどで転売されると高値が付きます。
CDを購入した場合に必ず付いてくるので、握手券が「景品表示法」で定められた景品類に該当し「総付け景品」ではないか、と考える人もいるでしょう。
たとえば、CDが1500円の場合、「総付け景品」は取引金額の10分の2までと定められています。300円のまでの景品であれば「総付け景品」として提供できます。
握手券は景品ではない
ところで、タレントの握手券は300円より高いか安いか。ネットオークションでは1000円近くの価格で落札される握手券もあるようです。
仮に握手券に1000円以上の市場価値があるのなら法で定められている上限額を上回ることになります。
しかし正解は、握手券は景品ではなく、景品表示法の規制を受けないものになります。
消費者庁の「握手券」の見解
消費者庁の見解は、握手には市場価格はなく、「物品、金銭その他の経済上の利益」とは認められないとしています。
基本的に握手券は市場で売買されるものではなく、どんなに有名な俳優や政治家でも握手は無料である、という見解なのです。
転売価格は一般的な市場価格ではない
景品の価格は「一般的な市場価格」を基準にしますが、握手に市場価格はありません。ネットオークションでの価格は、あくまでも「転売」をした場合の価格にすぎません。
第三者によって転売された場合の価格は「一般的な市場価格」ではなく、景品価格算定の参考となる価格とは見なされないのです。
まとめ
価格換算ができないタレントのファンサービス全般についても同じことがいえます
CDなどの商品を購入した人に限定して、サインや押しメンの人気投票をさせたとしても、握手と同様に景品表示法の規制は受けないのです。つまり違反ではありません。