年賀状は届きましたか。というか、出しましたか。わたしは、仕事の取引先に20枚程度手書きで出しましたが、今回、個人の年賀状はやめました。毎年、年賀はがきの発行枚数は減少しているようです。
年末にスーパーなどに行くと、郵便局員が熱心に年賀はがきの販促をしていますが、なかなか売れないようです。なぜ年賀はがきは、売れなくなってしまったのでしょうか。
まずは、年賀はがきの発行枚数の推移を確認しておきましょう。
年賀はがきの発行枚数の推移
郵便行政が発行する「年賀はがき」は、1949年発行、1950年用がはじめてだそうです。このときの発行枚数は1億8000万枚。その後、順調に発行枚数は伸びて、ピークは、2004年用の44億6000万枚で、当時は1人あたり34.9枚。
2017年用の発行枚数は、28億5300万枚。これは1983年と同水準の数字です。年賀はがきの発行枚数は、2010年用から8年連続で減少しています。
売れないのはネットの普及が原因
推測ですが、いちばん大きな理由が、ネット環境が広く整ったことがあげられます。年表で振り返るブロードバンドの歴史というサイトから2005年の記述を引用します。
ADSLの話題はほぼ収束し、変わってFTTHが大きく伸びた1年。ブロードバンドの加入者が2000万を超える中、ついに純増数でFTTHがADSLを上回った。
固定系ブロードバンドが順調に普及した一方で、モバイル・ワイヤレスに関連した話題が多く登場。総務省が1.7GHz帯および2GHz帯を新規事業者へ解放するとの施策を行ない、BBモバイル、イー・モバイル、アイピーモバイルが事業者として認定を受けた。
また、ライブドアが「livedoor Wireless」を開始、NTTグループがアクセスポイントを統合するなど、公衆無線LANサービスにも大きな変化が見られた。
2005年は、光回線が普及しはじめ、モバイル・ワイヤレス関連の整備が進みました。「年賀はがき」よりも生産性の高い、コミュニケーション手段が登場したといえます。以降、年賀はがきの発行枚数は減少に転じ、様式化していきます。
新聞の衰退も年賀はがきと同じ
朝刊のみの新聞発行部数のピークは、2008-2009年の3440万部。以降減少を続けています。新聞の場合は、年賀はがきに比べて2-3年遅れて減少に転じました。これには、予備紙と部数の計算方法、更新時期などが影響しています。
新聞代をネットの通信料にかえれば、リアルタイムでニュースは見られるし、新年の挨拶も簡単に済ますことができます。
こうした高生産性シフトの意識から、年賀状のみならず、新聞の購読部数もネットに代替されているのです。そういえば、最近はテレビの視聴時間も減っていますね。