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口裂け女にポマードやべっこう飴が効く理由【学校の怪談】

口裂け女

学校で怪談話が流行っているらしく「口裂け女を知っているか」と小学校に通う娘から尋ねられました。 口裂け女は、1978年頃に全国的にひろまった都市伝説。わたしも子供の頃、聞いた覚えがあります。たしかこのような話でした。

子供が夕暮れどきの道を歩いていると大きなマスクをつけた髪の長い女性が近づいてきて「わたし、きれい?」とたずねる。 そこで「きれい」と答えると、女は「これでも?」と言ってマスクを外す。するとその口は耳まで裂けていている。

悲鳴を上げて子供は逃げ出すが、とことん追いかけてきてナイフで子供の口を裂くという実に恐ろしい話。

社会現象になった口裂け女

この話は、当時、日本中の小中学生に知れ渡り、怖がって不登校の子供が続出したり、TVの特撮戦隊もの「バトルフィーバーJ」の怪人としても登場したりしました。

ameblo.jp

この口裂け女の話は、全国に広がりをみせるなかで、口裂け女は3人姉妹の末っ子であるとか、100mを6秒で走るという、うわさが付け加えられていきました。

口裂け女のルーツは?

わたしの知っている口裂け女のルーツは、2説あります。

  • 整形手術の失敗説
  • 塾通いを諦めさせる作り話説

整形手術の失敗説

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美容整形外科が正式な医療として国会で認知されたのが1978年。当時の女性週刊誌は競うように美容整形の話題を取り上げ、 また医師たちも週刊誌を広告代わりに利用しました。

美しく生まれ変わるという女性の普遍的な願望をかなえてくれる一方で、「手術の失敗」という恐ろしい結末も話題に上りました。 医療技術に対する期待と不安が錯綜した子供たちの心理が「口裂け女」という妖怪を生み出したという説です。

口裂け女から逃げるときに「ポマード」が効くという説があります。これは整形手術を執刀した医師がポマードをつけていたためで、 その整髪料の匂いが鼻につくからだ、と言われています。

塾通いを諦めさせる作り話説

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口裂け女の話は岐阜県を発祥とする説があります。当時、高学歴を競う学歴社会が一般家庭にも広まりつつありました。子供の塾通いがはじまったのもこの頃です。

1978年当時、学習塾に通っているのは裕福な家庭の子供が大半でした。 岐阜の経済的にゆとりのない家庭で、母親が子供に塾通いをあきらめさせるために「夜道を歩いていると口裂け女に襲われる」と、 夜の外出を怖がらせた話がルーツとされています。

口裂け女から逃れる方法

常光徹著「学校の怪談」に口裂け女から逃れるための方法が5つ挙げられています。


  • 「ポマード」と3回唱える
  • べっこう飴(チュッパチャップス)を投げる
  • 「にんにく・にんにく」と唱える
  • 手のひらに「犬」の字を書きパッと見せる
  • 「あたしきれい?」の問いに「まあまあですよ」とごまかす


「べっこう飴」は口裂け女の好物と言われています。べっこう飴を投げつけ気を取られている隙に逃げるのです。 また「にんにく」というのは、仏教の六波羅蜜の「忍辱」、耐え忍ぶことを表していると推測されます。

まとめ

子供の質問に答えるために口裂け女について調べてしまいました。 後世になって振り返ってみると、都市伝説というのは、時代の空気を反映していることがわかります。

美容整形外科の登場、学歴社会の到来、口裂け女から逃れるときに使うアイテムの「ポマード」や「チュッパチャップス」も当時流行していたものです。

興味深いのは、今の子供たちは「ポマード」が整髪料だとは知らないことです。単に口裂け女から逃れる呪文として理解しているのです。

PR:こども妖怪・怪談新聞