環境にやさしく、健康にもよいということで、自転車が見直されています。 しかし利用者が増えれば、それだけトラブルも増えるもの。
自転車には免許がなく、講習を受ける義務もありません。誰でもすぐに公道を走ることができますが、 法律上は軽車両に分類されます。つまり自動車と同じ「車両」なのです。
例外はありますが、基本的には歩道を走ってはいけませんし、区間ごとに決められている制限速度も守る必要があります。
ところが、自転車には法定速度が定められていません。
いわゆる原動機付自電車(50cc未満のスクーターなど)は、エンジンのみで走るので免許が必要。 法定速度も時速30Kmと定められています。
自転車はどこからスピード違反?
しかし自転車には、そうした法定速度の縛りはなく、可能なら乗用車並みのスピードを出してもかまわないといえます。 つまりスピード違反にはなりません。
ふつうの人が自転車で時速60kmを出すことはまずできませんが、歩行者や車の脇を疾走する自転車に、 ヒヤリとした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
自転車産業振興会では、安全に運転するための「常用速度」を時速10~15kmとしていますが、 法律で規制されていない以上、取り締まることはできません。
自転車のタイプ | 速度(法廷速度は決まっていない) |
---|---|
スポーツ車 | 15~25km/h |
シティ車 | 10~20km/h |
実用車 | 10~15km/h |
コンパクト車 | 10~20km/h |
子ども車 | 8~18km/h |
幼児車 | 5~8km/h |
自転車がらみの事故の割合
自転車がらみの事故は、警察庁のまとめによると2016年で交通事故発生件数の18.2%。 ここ数年、20%弱で推移しています。
2016年の自転車乗車中の死亡者は509人でした。
交通違反は自転車に厳しい
スピードの規制がないぶん道路交通法は、自転車の交通違反は厳しい面があります。 左側通行や交差点の一時停止などの基本的なものは違反すると3ヵ月以下の懲役、または5万円以下の罰金。
二人乗りやジグザグ走行、携帯電話や傘をさしながらの運転も罰金の対象となります。
飲酒運転も当然違反となります。ほろ酔い加減で乗っていると5年以下の懲役、または100万円以下の罰金。
自転車には免許がないので、自動車のように違反切符を切られたり免許停止という行政処分はありません。 そのぶん軽微な違反でも書類送検され、裁判によって罰金の支払いを命じられるのですから、 考えようによっては自動車より厳しい面があるのです。
忘新年会、酒を飲むからと自転車で出かける人がいますが、ダメですよ。。。