ブログを書くとき、重要なのは「視点」ではないでしょうか。文章が上手か下手かは問題ではありません。着眼点、独創性こそが、読み手の心をつかみます。何をどういう切り口で書くか、この発想を得ることが創作の醍醐味です。
このエントリでは、読者に「なるほど!」と思わせる、発想を鍛える本を5冊紹介します。どれも簡潔な短文でデザインされています。いろいろ想像できる余地が残されていて、すべて書いてあるものよりも楽しめます。
的を射る言葉 - 森博嗣
森博嗣の箴言が発想をひろげる
森博嗣氏は、小説「すべてがFになる」「スカイ・クロラ」が有名ですが、独自の視点で語られるエッセイが、また素晴らしいのです。この文庫は、森博嗣の箴言集*1といえるもの。短い文章で何かをピタリと言い当てる爽快感があります。
このような箴言が108のテーマで綴られています。
考えなしの行動? - jane Fulton Suri
日常風景から得られる発想
日常、無意識に行われる光景から「どういうことが考えられるか」を発想するドリル。たとえば、表紙のイラストのように、両手がふさがったとき、あなたはどのように解決するでしょうか?
スナップ写真に翻訳者 森博嗣氏が発想のきっかけとなる短いキャプションを書いています。日頃、いかに多くのものを見過ごしているかに気づきます。デザインの専門家は、原書で読むことが推奨されています。
百頭女 - マックス・エルンスト
コラージュで発想力を鍛える
断片的な文章と奇妙な絵画で構成された作品で、何が何だかわからない魅力があります。見ていてなんとなく面白い。
1929年発刊。タイトルは「ヒャクトウジョ」「ヒャクトウオンナ」諸説あり。コラージュで彩られた幻想的イメージの世界に理屈はありません。作者は、超現実主義(シュルレアリスム)の代表的画家。
読むな、感じろ!伝説の奇書『百頭女』は超絶シュールなアート作品だった - NAVER まとめ
仕事のヒント - 神田昌典
マーケティング思考で発想力を磨く
ダイレクト・マーケティングを日本にひろめた神田昌典氏のビジネス箴言集。1ページに箴言と簡潔な説明があり、全部で150収録されています。ひとつだけ紹介します。
自分が言いたいことを言っている限り、売ることはできない。お客が心の中で思っていることを、お客の言葉で伝えてあげたときに、「この会社は、私のことをわかってくれている」と反応する。
この本は、メールマガジン「神田昌典365日語録」がベースとなっています。非常識に感じる箴言もありますが、その真意を自ら考えることでビジネスの新たな発想が得られるでしょう。
多眼思考 - ちきりん
短文に秘められた発想のヒント
ちきりん氏が投稿したツイッターのつぶやきをテーマにごとに厳選し収録した本。140字という文字制限の中で磨かれた鋭い指摘が、読み手の思考を刺激し、発想をひろげてくれます。
テーマは、生きること、働くこと、社会、少子化と高齢化と男と女、ゆるく考えよう、ビジネス、ぐろーばりぜーしょん、自立&未来へ。モノゴトの見方を変える300のつぶやきがデザインされています。「生きること」からひとつ紹介します。
まとめ
以上、発想力を鍛える本を5冊紹介しました。どれも短い文章で書かれたものですが、内容に普遍性があり古くなりません。
読み手の思考力、経験値が上がれば、同じ箴言を読んでも、見え方が変わります。簡潔な文章が導く、発想のひろがりを体感してみてください。
*1:教訓の意味合いを持つ短い言葉