ハーバード大学の生物学者、エドワード・O・ウィルソンは、著書で「人間は、ほかの人に対する本能的な愛情を持つ」と説きました。
なかでも、人は、ベビーフェイス「童顔」への愛情が特に強いようです。人間は、本能的に赤ん坊に似た顔を好むのです。
丸顔、広い顔、小さな鼻、明るい肌。
ベビーフェイスは、こうした赤ん坊に共通する印象を持つ顔のことで、見る人に安心感や純粋さ、正直さを芽生えさせる働きがあります。
広告効果を上げるベビーフェイス
商品PRにベビーフェイスを使うと、そうした心理的な働きから、商品購入への抵抗感を薄めることができます。誰もが赤ん坊をかわいいと感じ、守りたいと思う心理を持っているからです。
また、笑顔の人物も印象を向上させる効果があります。
笑顔ばかりの写真を並べたポスターを見かけますが、これも印象向上を狙ったものです。写真が使えない場合は、かわいいキャラクタやイラストでも同様の効果が得られます。
したがって、広告に「利用者の声」「体験談」に使う顔写真は、ベビーフェイスで笑顔の写真を選ぶと購買抵抗を下げ、反応率が高まります。
専門性や権威を伝える顔写真は?
逆に、大人びた顔写真が広告効果を上げる場合もあります。
それは「専門性」や「権威」を読み手に伝えたい場合です。これには、はっきりとした顔立ちの成人男性の写真がおすすめです。
開発者のコメント、学者の推薦等を掲載して商品に権威づけをする場合、幼い印象のベビーフェイスの写真を使うと説得力が乏しくなるからです。
まとめ
ベビーフェイスの顔写真は、見る人に安心感や純粋さ、正直な気持ちを芽生えさせる働きがあり、商品PRの広告に使うと、購入への抵抗感を和らげる働きがあります。
一方で、専門性や権威性が重視される場合には、ベビーフェイスは不向き。幼い印象が説得力を損ないます。
こうした場合は、顔立ちのはっきりした成人男性の写真が効果的なのです。