
※この記事は2026年4月に更新済です
「なんでこの人、なんかいいなって思うんだろう?」
人を好きになる理由は、見た目や性格だけではありません。じつは、においも少し関係しているかもしれません。
この記事では、においと体のしくみについて、子どもにもわかるようにやさしく説明します。保護者の方にも役立つ内容になっています。
- においで気持ちが変わることがある
- 生き物はにおいで合図している
- 人間はフェロモンを感じるの?
- においと体のつくりの「相性」
- 思春期になるとにおいが変わる理由
- 足のにおいが気になるときは?
- かんたんにできる足のケア
- まとめ
においで気持ちが変わることがある
いいにおいで気分がよくなったり、苦手なにおいでイヤな気持ちになったりしたことはありませんか?
人はにおいによって気持ちが変わることがあります。そしてそれは、人との印象にも少し関係していると考えられています。
においが記憶と結びつく「プルースト効果」
特定のにおいを嗅いだとき、昔の記憶がふっとよみがえることがあります。
たとえば、おばあちゃんの家のにおい、給食のカレーのにおい。
これは「プルースト効果」と呼ばれる現象です。フランスの作家の小説の描写から名前がついています。
なぜにおいはこんなにも記憶と結びつくのでしょうか。その答えは、脳のしくみにあります。
においは脳の「感情センター」に直接届く
においの信号は、鼻から脳へ届くとき、感情や記憶を担う部分に直接つながっています。
他の五感(視覚・聴覚・触覚・味覚)は、脳の「視床」という中継地点を通ってから処理されます。
しかし嗅覚だけは、その中継地点をとばして、感情をつかさどる「扁桃体」や、記憶の場所「海馬」へ、ほぼ直接届くルートを持っています。
扁桃体(へんとうたい)・海馬とは
扁桃体は喜怒哀楽などの感情を処理する場所。
海馬は記憶をつくったり、引き出したりする場所です。
つまり、においを感じると、頭で考えるより先に「感じる」が起きます。
これが、においによる記憶が鮮明で感情的な理由です。
においの記憶は子どものころに育まれる
においに関連する記憶は、10歳ごろまでの幼少期に特に多く形成されると研究で示されています。
嗅覚は、五感の中でもっとも早く発達する感覚です。
論理的な記憶が育つよりずっと前から、においと感情はセットで脳に刻まれていきます。
だから「このにおい、なんか好き」という感覚は、子どものころの安心感や思い出と、深くつながっていることが多いのです。

生き物はにおいで合図している
多くの生き物は、「フェロモン」というにおいで仲間に合図を送っています。
- 仲間を集める
- 危険を知らせる
- 相手を引き寄せる
こうしたことを、においによって行っています。
フェロモンとは
同じ種類の生き物どうしに伝わる、においのサインのことです。
人間はフェロモンを感じるの?
人間にもそのしくみはあると考えられていますが、動物ほど強くは働いていません。
そのため、においだけで人を好きになるわけではないと考えられています。
においと体のつくりの「相性」

人にはそれぞれ、少しずつ違う体のつくりがあります。
研究では、自分とちがう体のタイプのにおいを心地よく感じることがある、とわかってきています。
Tシャツの実験でわかったこと
1995年、スイスの研究者が興味深い実験を行いました。
男性が2晩着たTシャツを女性に嗅いでもらったところ、自分と免疫の遺伝子(MHC)がちがう人のにおいを、心地よいと感じる傾向があることがわかりました。
MHC(免疫の遺伝子)とは
体の中に入ってきたウイルスや菌をやっつける、免疫のしくみに関わる遺伝子です。
人によって型が異なり、体臭にも影響すると考えられています。
なぜちがう型の人のにおいに引き寄せられるのでしょうか。
それは、免疫の型がちがう相手との間に生まれた子どもは、より多くの種類の病気に対応できる可能性があるからと考えられています。
体が本能的に「いい組み合わせ」を選んでいる、ともいえます。
「なんとなく好き」は本能かもしれない
「理由はわからないけど、あの人のそばにいると落ち着く。」
そんな感覚は、単なる気のせいではないかもしれません。
においを通じた遺伝子レベルの「相性」が、その感覚の背景にある可能性があります。もちろん、恋愛は性格や価値観など多くの要素で成り立っています。
においはそのひとつ、というくらいに受け取っておくのがよさそうです。
髪のにおいが「いいな」と感じる理由
シャンプーの香りがする髪のにおいは、次のような理由で心地よく感じることがあります。
- 清潔で安心できる
- その人らしいにおいが混ざっている
シャンプーの香りとその人本来のにおいが重なることで、「その人だけのにおい」として記憶に残ることがあります。
家族のにおいが気になることがあるのはなぜ?
「お父さんのにおいがちょっと気になる…」と感じることもあります。
体のつくりが似ている人のにおいを強く感じやすいことが、関係していると考えられています。
これは自然な反応であり、家族への気持ちとは別のものです。

思春期になるとにおいが変わる理由
小学校高学年から中学生にかけて、
「なんか最近、自分のにおいが気になる…」と感じる子どもが増えてきます。
これは体が大人へと成長しているサインであり、まったく自然なことです。
体のしくみから見るにおいの変化
思春期になると、成長ホルモンや性ホルモンが急激に増えます。これによって、においに関わる体のしくみが大きく変化します。
| 変化の原因 | どんなにおいが出るか |
|---|---|
| アポクリン腺が発達する | わきなどの独特のにおい(いわゆる「思春期臭」) |
| 皮脂の分泌が増える | 脂っぽいにおい、酸化したにおい |
| 全身の発汗量が増える | 汗のにおい全般 |
アポクリン腺とは
わきの下などにある汗腺の一種。脂質やたんぱく質を含む汗を出します。
思春期になると活発になり、菌がそれを分解することでにおいが生まれます。
男の子と女の子でにおいはちがう?
男の子は筋肉量が増えるにしたがって、汗や皮脂の分泌量が全体的に多くなります。
脂っぽいにおいや汗のにおいが強くなりやすい傾向があります。
女の子はホルモンバランスの変動によって体臭が変化しやすく、スキンケア用品やシャンプーの香りと混ざって、においが気になることがあります。
保護者の方へ:子どもへの伝え方
においの変化に気づいたとき、どう伝えるか悩む方も多いと思います。
「くさい」「においがする」といったストレートな言葉は、子どもの自尊心を傷つけることがあります。
思春期はとくにデリケートな時期なので、言葉の選び方に注意が必要です。
- 「体が大人に近づいている証拠だよ」と成長のサインとして伝える
- 「汗かいたからシャワー浴びようか」と自然に促す
- 「このボディソープ使ってみない?」とケアアイテムを提案する
- 食事のバランスを整える(脂っこいものが多いと皮脂が増えやすい)
においのケアは「清潔にすること」だと自然に伝えられると、子ども自身も受け入れやすくなります。

足のにおいが気になるときは?
学校や部活から帰ってきたとき、
「なんだかにおいが気になるかも…」と感じたことはありませんか?
これは、子どもによくある自然なことです。その理由を体のしくみから見てみましょう。
なぜ子どもの足はにおいやすいの?
| 理由 | くわしく |
|---|---|
| 汗をかきやすい | 成長期は代謝が活発で、足にも汗が多く出る |
| 汗腺が集まっている | 足裏の汗腺は大人とほぼ同数だが、体が小さいためせまい場所に密集している |
| くつの中で菌が増える | あたたかくしめった環境で菌が増え、においが発生する |
代謝とは
体の中でエネルギーを使って活動するしくみのことです。子どもはこの働きが活発です。
かんたんにできる足のケア
においを減らすには、むれを防ぐことがポイントです。日々の習慣として取り入れてみてください。
- 足を丁寧に洗う(指の間まで)
- おふろのあとにしっかり乾かす
- 同じくつを毎日はかない
それでも気になる場合は
毎日のケアをしていても、くつの中の環境によっては、においが気になることがあります。
我が家で試してよかったのが、くつの中に振りかけるタイプの消臭パウダーです。毎日のケアに取り入れてから、においが気にならなくなりました。
気になる方は参考にしてみてください。
→ グランズレメディをAmazonで見る
まとめ
においと体のしくみについて、まとめると次のようになります。
- においは脳の感情・記憶と直接つながっている
- においの記憶は子どものころに特に強く形成される
- 遺伝子レベルの「相性」が、においの好みに関係している
- 「なんとなく好き」という感覚は、本能と関係しているかもしれない
- 思春期のにおいの変化は、体が成長しているサイン
- 清潔を保つことが、においへの一番の対策
においは目に見えませんが、私たちの感じ方や人間関係に、少しずつ影響しています。
体のしくみを知ることで、「なぜそう感じるのか」が少しわかるようになります。
日々のケアとあわせて、上手に向き合っていきましょう。