新聞を作るには、記事を書く準備として取材が必要です。記事内容をたしかなものにすために、本やインターネットで調べるだけでなく、現場取材が欠かせません。このエントリでは取材方法と取材時に活用するアンケートの作り方について説明します。
取材の基本は現場で確かめること
現場に足を運び、自分の目で確かめることが取材の基本。実際に見て、聞いて、肌で感じて、事実を確かめましょう。
東日本大震災が起こった後、TVのキー局では、被災地に臨時の支局をおきました。現場の状況を正確に短時間で視聴者に伝えられるよう取材しやすくしたのです。新聞では、記者が自分の目で確かめ、感じることで、内容の豊かな記事にまとめられるのです。
記事に必要なのはどんな取材か?
あなたが書こうとしている記事には、どのような取材が必要でしょうか。
取材には、自分の体験をありのままに報告する「ルポルタージュ」、専門家や詳しい人に話を聞く「インタビュー」、たくさんの人の意見を集める「アンケート」、人数などを調査して出来事の特徴をつかむ「統計」などがあります。
- ルポルタージュ
- インタビュー
- アンケート
- 統計
読者に知らせたいことは何かを意識して、記事に必要な取材方法を選びます。
取材に役立つ持ち物・アイテム
ノートやえんぴつのほか、レコーダーやカメラがあると便利です。スマートフォンやタブレットでも代用できます。
インタビューを録音しておけば、あとで聞き直すことができ、写真を撮っておけば、現場の様子を紙面で見せられます。
ただし、取材をはじめる前に、録音すること、写真撮影をすること、写真を新聞に掲載することの許可を取るのを忘れずに。
インタビューによる取材のコツ
記事にする事柄について詳しい人に話を聞くのがインタビューです。専門家に意見や感想を聞くことで、信ぴょう性の高い、正確で新しい情報を記事にできます。
インタビュー取材の準備
まず、大切なのは下調べです。インタビューする内容について、また、話を聞く相手について、できるかぎり前もって調べておきましょう。
本や新聞、インターネットでよく調べておき、相手に質問したいことをノートにまとめておきます。次に、取材相手の都合を確かめます。インタビューの目的や質問したい内容をあらかじめ知らせておくことが取材のコツ。
この際に、インタビューする日時や場所も相談しておきましょう。
聞き上手はインタビュー上手
限られた時間で良い話を聞きだすには、聞き上手になるのがポイントです。
用意しておきた質問をふまえながら、読者の気持ちになって話を聞きましょう。取材相手の考えを聞き、うなずいたり、相づちをうったりしながら、重要な点や印象に残った言葉をメモします。
ときには、話を聞いたうえで、あなたの考えや思いを話すことで、それが呼び水になって思いがけない新情報を得られることもあります。
アンケート取材のコツ
たくさんの人に同じ質問をして、意見を集めるのがアンケート取材です。ある事柄について、賛成と反対の割合を調べたり、ランキングをつくったりするのに役立ちます。
アンケートの設問の作り方
アンケート取材のメリットは、回答をしぼりこめる点です。
回答する人が答えやすいアンケート用紙を作るには、自由に書く欄を少なくして、いくつかの選択肢から答えを選ぶ形式にすると良いでしょう。そのために、事前に少人数の予備調査をして、質問と選択肢が適切かどうかを確かめておくことが大切。
たとえば「よい」か「悪い」を聞く質問の回答には、「ふつう」「どちらともいえない」というあいまいな選択肢を入れるより、「どちらかといえばよい」「どちらかといえば悪い」などを入れて4択にした方が、回答者の意見をつかみやすくなります。
アンケート結果を記事にするには?
アンケートの結果は、取材してグラフや表にまとめると新聞紙面らしくなります。結果を発表するだけでなく、その結果から何が読み取れるか、どういうことが言えるかを考えて記事にしましょう。
新聞記事には、これからどうなるか、という未来の展望や予想を示す役割があります。結果を分析して、自分が感じたことをまとめてみましょう。
取材がうまくいくポイント
ものの見方を変えてみよう
取材する題材、テーマをいろいろな角度から見てみましょう。小学生、地域の人、家族など、インタビューする相手を変えることで、テーマに対する見方や意見も変わります。
ふだんは目を向けないところに意識を向けることで、読者に気づきを与える有益な情報を伝えることができます。
知っていることを詳しく調査しよう
ひとつのテーマを根気よく調べてみましょう。知っているつもりでいたことが、詳しく調べてみると、うわさでしかないことに気づいたり、新しい事実にたどりついたりすることもあり得ます。
テーマを追い続けて取材を重ねることで、できごとの変化に気づくこともあります。
情報の「ウラ」を取る
新聞取材で「ウラを取る」とは、手に入れた情報が事実かどうかを別の方法で調べ、裏付けをすることです。その情報が正しいという証拠を集める作業です。
関係者に話を聞いたり、信頼できる本などを使って、しっかりと事実の裏付けを取りましょう。特に、日付、数量、人の名前の表記の仕方には注意が必要です。
まとめ
以上、新聞記事を書くために必要な取材の種類、方法について解説しました。新聞の役割は、読者の役に立つ情報、喜ばれる情報を正確にわかりやすく伝えることです。
取材を成功させるコツは、取材の準備と取材後の裏取りや分析にあります。このことを意識して、得ダネをつかみましょう。
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