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小論文の書き方 - 中学生向け【例文付き】

中学生のための小論文の書き方

この記事では中学生を対象に小論文の書き方を説明します。はじめて小論文に挑戦する人にもわかりやすいように「環境」をテーマに400字の例文も掲載。

記事を読むと次の疑問が解消します。

  • テーマの立て方
  • 小論文頻出のテーマ
  • 文章の構成
  • 小論文と作文の違い
  • 小論文の書き出し
  • 記述力を高める勉強法

中学生向けですが、大学受験や就職試験でも、この小論文の書き方は応用できます。

小論文とは

作文は、ある出来事の感想を生き生きとした文章で書くものです。

一方で、小論文は、新聞などで問題になっている話題を

  • 正しいかどうか
  • どうすればいいのか

を考えて筋道立てて文章にします。感想は必要ありません。

印象や感想ではなく、なぜこんなことが起こっているのか、その意味は何か、について書くことが求められます。

さらに、わかりやすい違いがあります。

  • 何かを論じるのが小論文
  • そうでないのが作文

論じるとは、ある問題に対して賛成か反対かを答えることです。

たとえば、自然環境について書くとき

  • 自然環境を守れるか
  • 自然環境を守る方が物にあふれた生活をするより大事か

こうした問題について賛成か、反対かを答えるのが小論文です。

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書き出しは賛成か反対かをたずねる

テーマをはっきりさせる

小論文とは、賛成か反対かを答えるものです。

これは逆にいえば、社会的な問題が出て、その判断をたずねられているときには、賛成か反対かを答えれば、小論文が書けるのです。

それには、設問を整理し、直接的に賛成か反対かを聞く形式に書き換えるのが有効です。

小論文テーマの明確化

テーマをはっきりさせると、主旨が明確な小論文になります。

この手法は、さまざまな小論文に応用できるので覚えておきましょう。

 

賛否両論のある問題がよい

たとえば「自然環境」に関する出題では、ほとんどの人が

  • 自然環境を守るべきだ
  • 自然環境との調和をはかるべきだ

という意見になるでしょう。

しかし、それでは、ありふれたものにしかなりません。

もうひとひねりして

  • 自然環境を守れるか
  • 自然環境と人間の調和をはかれるか

という問題を自分で作って、それに対して賛否を答えます。

賛否両論のある問題を作るのが、上手な小論文を書くコツです。

単純に「自然環境を守るべきか」という問いにすると、賛成に決まっていますので、あえて論じる必要はないのです。

 

小論文の頻出テーマ

小論文では、頻繁に問われるテーマ(題材)があります。テーマの大半が、世相を反映した社会問題、時事問題が問われます。

頻出テーマ一覧
少子高齢化 健康・心 臓器移植・脳死
豊かさ 環境 医療福祉
人間関係 生命の尊厳 若者気質
自立 未来に向けて 学び
言葉・言語 社会問題(情勢) 家族・友人
志望動機 自己 興味関心

新聞やニュースなどの報道で関連する話題があったら、知識を蓄えておきましょう。

 

小論文の構成

小論文の構成

小論文は上の図のような構成で書きます。

4コマ漫画の起承転結。
小論文では、これを変形した起承展結を使います。転回が「展開」になる構成です。

論をひっくり返すのではなく、理由や対策で論を詳しく展開する点に特徴があります。

「起承展結」の役割
賛成か反対かという問題を設定する
賛成・反対のどちらの立場を取るか示す
考えの根拠や理由、具体策を詳しく書く
再度全体を整理して賛成か反対か述べる

では具体例として、起承展結の構成で「環境(自然)を守ることができるか」という問いを立て小論文を書いてみます。

 

「起」の書き方

問題を整理して、賛成か反対か、問題をはっきりさせます。

課題文に不明確な言葉(キーワード)が入っているときは、補足説明をします。

「起」の例ごみや空気汚れのために、地球が人間の住めないところになると言われている。私の住む町でもごみが問題になっている。では、これから自然を守ることができるのだろうか。

 

「承」の書き方

承では、賛成、反対の立場を明言します。

承の書き出しは

  • 確かに(反対意見の良い点)
  • しかし(自分の考え)

と続けます。

反対の立場に触れることで視野がひろがり、論が一方的になるのを防ぎます。

「承」の例確かに地球を守るのは難しい。人間が生きていくためには、地球を壊さなくてはいけない。地球を資源を消費して、人間は生きているのだ。しかし、だからといって、このままにしておいたら、近い将来、地球は滅びるだろう。だから、私たちの手で地球を守る必要があるのだ。

 

「展」の書き方

承で書いたことに説得力をもたせるための部分です。転回というよりは、論を展開することに重きを置きます。

承で示した賛成、反対の意見に対して「そう考える理由」そして「それをもっと良くする対策」などをできるだけ詳しく書きます。

展」の例私たちは必要のないものをたくさん買ってむだをしている。そのために、たくさんの地球の資源をむだに使っている。私たちがむだを減らすだけで、地球の命をずっと長くのばせるはずだ。それには、もっとリサイクルをして、ものを大事にすることが大切だ。

 

「結」の書き方

結論として、もう一度全体を整理して、賛成か反対かをはっきり述べる部分です。

努力目標や余韻をもたせるような締めの文章はいりません。賛成か反対かを再度、簡潔にまとめれば十分です。

「結」の例このように、私たちがものを大事にすれば、地球を守ることができると私は考える。

 

小論文400字の例文

前項の例文を原稿用紙に実際に書いてみましょう。約400字の小論文になっています。

小論文例文

原稿用紙の使い方は、下記の記事を参考にしてください。

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小論文と作文との違いと注意

文章やテクニックにこだわらない

小論文を書くときは、あまりテクニックを使うべきではありません。書き出しや表現に凝る必要もありません。

小論文は、文章力やテクニックではなく、知識と思考力を見せるものです。あまりテクニックに頼ると「ごまかし」と思われてしまいます。

 

具体的に書きすぎない

作文は体験などを具体的に物語る必要があります。ドラマのように会話を入れて、おもしろく書くことが求められます。

小論文でも、具体的に書かなければなりませんが、あまり具体的すぎると、論が先に進みません。小論文は、出来事を詳しく書くよりも、ある出来事が正しいかどうか、それについて賛成か反対か、そして理由は何かを書くことが求められます。

 

感情的な言葉を使わない

作文であれば「おもしろかった」「楽しかった」「うれしい」などの言葉使ってもかまいません。ところが、小論文の場合は「うれしい」とか「悲しい」という感情を表す言葉はNGワードで使いません。

小論文は、感情を書くのではなく、感情的にならずに、ある問題が正しいかどうかを説明し、その理由を具体的に示して判断するものです。

 

世の中全体の視点で考える

小論文を書くときは、世の中全体の視点を忘れないことが大事です。

たとえば、「老人」についての問題が出された場合、自分のおじいちゃん、おばあちゃんのことばかり書いたのでは、視野が狭くなってしまいます。

作文であれば、身近な情景を切り取った話題としてそれでOKですが、小論文では、そこから一歩進んで、身の回りのことから、新聞などで取り上げられている社会のざまざまな出来事と結びつけていくことが期待されます。

これを文章に社会性を持たせるといいます。自分のおじいちゃんの問題は日本社会の老人問題の一つなのです。

常に、新聞やニュースなどで話題になっていることとの関係を考えてください。

そうすれば、おじいちゃんが不安そうなのは、日本の老人政策が不十分なせいだと気づくかもしれません。

 

小論文の書き出し4パターン

小論文の場合、書き出しに凝る必要はありません。読む人の気持ちを引くような書き出しでなくてもかまいません。

ふつうのありきたりの書き出しでも、きちんと知識を示していればいいのです。

とはいえ、書き出しをいつまでも思いつかないためにまったく書けなかった、ということもありますので、使い勝手のいい書き出しのパターンをお教えします。

 

疑問文ではじめる

問題となっている疑問点をズバリと書きます。

ところで賛成で答えたいときに「……だろうか」という疑問文にすると、読み手に「……ではない」と言おうとしていると思われる恐れがあります。

そんなときは、それに続けて「……かどうかについて考えてみたい」と書きます。

例│疑問文ではじめる自然破壊が問題になっているが、これから先、人類は自然を守っていけるのだろうか。それについて考えてみたい。

 

客観的事実ではじめる

「新聞では……」「テレビで、……を見た。」というように、新聞やテレビの報道、人の話などの客観的な事実ではじめる方法です。

例│客観的事実ではじめるテレビで、砂漠化が進んで、自然環境が破壊されていることを伝えていた。人間は砂漠化を防いで、自然環境を守っていくことができるのだろうか。

 

個人的体験ではじめる

自分の体験をもとに書きはじめる方法です。

うまく書くと、個性的な書き出しになりますが、体験を書きすぎると、長くなりすぎてしまいます。小論文は主張を語る場なのですから、体験は本論を導き出すための前置き程度にとどめます。

「……というようなことがあった。そのとき、○○について考えた。」というのが、もっとも書きやすいでしょう。

例│個人的体験ではじめる私のおじいさんの家の近くに、最近ゴルフ場ができた。喜んでいる人も多いが、お母さんは、これは自然破壊だから、ゴルフ場に反対だと言っていた。ゴルフ場を作って、自然を破壊しているのだろうか。

 

結論ではじめる

「私は……に賛成(反対)だ。」というように、最初に結論を書く方法です。

結論を左記に言うために、途中で書くことがなくなることがありますので、注意して使いましょう。この後の書き方は、「確かに……。しかし……」と、承の段落に続けます。

例│結論ではじめるこれからは、何よりも自然を重視するべきだと、私は考える。

 

課題文を読み意見を求められる場合

小論文では、文章を読んで意見を書くように求められる問題があります。

基本的には、ここまで説明した書き方で対処すれば大丈夫。課題文の主張について賛成か反対かを答えればいいのです。

文章の「起」にあたる部分を

  • 文章をまとめると……となるが、正しいだろうか。これについて考えてみたい。

という書き方で対応します。

この種の問題は、文章読解が加わった問題と考えればよいのです。

参考:記述に直結する読解力・要約力を高める問題集は下記の記事で紹介しています。

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小論文の勉強法

新聞やテレビの報道番組・本に触れる

小論文は、知識と教養、思考力がものを言います。ふだんから、社会問題や文化問題に触れていなければ、的確な文章は書けません。

おすすめの本は、毎年出る「入試用重大ニュース 時事問題に強くなる本」(学研プラス)です。時事問題、社会問題をわかりやすく説明した本です。

2019年入試用重大ニュース 時事問題に強くなる本

2019年入試用重大ニュース 時事問題に強くなる本

 

 

新聞の投書欄を読む

各新聞の社説や朝日新聞の「天声人語」を読むと役に立つ、と言われますが、これを毎日読むのは大変です。そこでおすすめなのが、新聞の投書欄です。

新聞には必ず投書欄というページがあります。一般の読者が書いた短い文章ですから、中学生でも簡単に読めます。

そしてこれを読んだだけで、今、世の中で何が問題になっているのかがわかります。文章の書き方の勉強にもなります。

 

おわりに

小論文は、大学入試でもよく出題されている問題です。東大や早稲田、慶応をはじめとした大学の入学試験でも小論文が出ます。

大学入試制度改革に伴い中学入試の国語や社会の記述問題にも小論文形式のものが見られるようになりました。

今後の進路のためにも、思考力をつけるためにも、小論文で記述力を磨くことは大いに役に立つのです。以上、小論文の書き方 - 中学生向け【例文付き】でした。

 

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